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物流ニュース
精神障害の労災増加 上乗せ保険でリスク回避
2017年8月8日
厚労省の発表によると、精神障害の労災請求件数は年々増加しており、平成26年度は1456件。運輸業・郵便業では144件の請求に対し、63件が「業務上」のものと認定されている。
労災と損害賠償に関する情報をまとめたサイト「カイシャのホケン」を運営するサンロ・ジャパン(東京都世田谷区)の荻野泰志氏は、「労災訴訟が会社に与えるダメージは何と言っても経済的損失。賠償額は高額化しており、数千万円から億単位にのぼる判例も増えている」と警鐘を鳴らす。「判決額『2億円』は経常利益2%の会社では売り上げ100億円に相当する」とし、「使用者賠償責任保険、いわゆる『労災の上乗せ保険』に加入して甚大な経済的リスクに備えておくことが賢明」と付け加える。
同氏は、「自動車保険では、大半の方が自賠責だけでは補償が足りないと考え、任意保険に加入されているはず。それと同様に、労災も上乗せ補償を準備すべき。少なくとも『3億円以上』の限度額に設定された方が良い」とする。
物流業界に詳しいベテラン社労士に聞くと、「運送業の経営者は、必ず業務災害補償保険の使用者賠償責任特約を掛けるべき」とし、「労災認定されなかった場合や、会社ではなく社長が訴えられても保険金が支払われるものを、きちんと選んでほしい」とアドバイスする。
荻野氏は、「保険の設計に関しては、社員数や管理体制で、会社ごとにカスタマイズすることが重要になるため、実際に労災訴訟を経験したことのあるプロの保険代理店に相談してほしい」と語る。
◎関連リンク→ 厚生労働省この記事へのコメント
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