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物流ニュース
求職者の声に探る求人のコツ 進展性示せる求人票を
2017年9月12日
「求人票を出したのに全く連絡がない。ドライバーを増やしたいが、連絡がなければどうしようもない」と話すのは名古屋市の事業者。人手がどうしても必要となる業界である以上、こうした事態は避けたい。今回は求職者が、どのような求人に反応を示すのか、各所で話を聞いた。
退職自衛官の再就職事情に詳しい、自衛隊愛知地方協力本部名古屋地域援護センターのセンター長を務める長谷川敬樹1等陸尉(写真左)は、定年退職者(多くは50歳代半ば)の再就職先について「長く国に貢献してきたこともあり、地域への貢献度が高い仕事を希望する隊員が多い。他にも管理職として自衛官時代の経験を社会へ〝還元〟していく隊員や、自衛隊での経験を買われ、自治体で防災の専門職へ就く隊員もいる」と話す。運転者を再就職先として選ぶ割合も一定数(平成27年度は18%)存在しているが、「地域への貢献度を重視し、学校関係のスクールバス運転者などに就くケースが多い。他にも銀行関係役員のドライバーなどを選ぶ隊員もいる」としている。また、「定年退職者は家族との時間を大切にできる職場を選ぶ場合が多い」とも話している。マイホームを購入している退職自衛官も少なくないので、通勤やローンなども就職の参考とする場合もあるという。
任期満了の退職予定者(多くは20歳代)については「自衛隊時代に専門性の高い仕事に就いていた場合は、その経験を生かした仕事を選ぶ場合が多い」と話す。しかし、陸上自衛隊の輸送科部隊のようなトラックに携わるポジションにいた人材が、必ずしもトラック業界を選ぶわけではなく、新しい仕事にチャレンジしたいというケースも多いそうだ。新しい世界を求めるという点では、「陸運から離れた航空自衛隊や海上自衛隊から陸上貨物輸送の業務に再就職を希望するケースもある」(大島進三同副センター長、同右)という。
また、「全体的な雇用条件も上がってきていることもあり、若い隊員は特に福利厚生、残業代など手当を含む給与体系や、給与の上がり方に注目している」としている。なお、休日数と年収であれば、年収の方を重視する方が多いそうだ。こうした例もあるので、求人票の手当欄や備考欄などを活用した、入社してからの給料を想像してもらいやすくできる、入社後の進展性を示せる求人票が効果的だという。残業時間なども、繁忙期から閑散期をまとめて書くより、時期に応じた書き分けをするなど、誤解のない書き方が有効とのこと。
ハローワーク名古屋中人材確保対策室の松下昇室長は「ハローワーク利用者で、物流業界から同じく物流業界へと移っていく方も一定数いらっしゃるが、製造業など業界外から物流業界へ転職される方も少なくない。新たな人材を獲得したいのであれば、他業界から見た求人票を意識することも重要」としている。松下室長は「例えば、製造業界では土日に休みを入れる所が多い。なので、製造業界から転職される方は比較的、求人検索で土日に休みがあることを条件として意識されることが多い」と例をあげる。
また同じく人材確保対策コーナーの槙田敏也次長も「求人検索でヒットしやすい条件を入れておくことは重要度が高い」と指摘しており、「休みが土曜、日曜であることは多くの人が条件にあげているのでは」と教えてくれた。
フリーWebデザイナーの松本貴志氏は自社サイトの求人ページについて「人から見られるページにするにはまず、パソコンとスマートホンに対応したものを別々に用意するところから」と話す。理由を聞くと「他の業界でもそうだが、最近は仕事をスマートホンで検索するケースが多い。社外での休憩時間中に見てもらえる形にしておくことは重要」との答えがあり、また併せて「スマートホン版とパソコン版の両方があると検索した際、ヒットしやすくなる傾向がある。グーグルなどが、これに当てはまる」と教えてくれた。
さらに松本氏は、スマートホン専用ページをつくるメリットとして「ただ会社につながる電話番号を掲載するだけでなく、ワンタッチで、すぐに電話をかけられるよう設定しておくこともできるので、転職意欲のあるうちに接触を図りやすくなる。これはパソコンではできないこと」と話す。同氏は「最近では、なんらかの媒体で求人情報を見たとき、会社のHPを見ようとするケースも少なくない。こうした際、会社にHPがないと、特に若い方から警戒心を持たれやすくなる」と自社ホームページ設置の重要性を教えてくれた。この記事へのコメント
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