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物流ニュース
守りたくても守れない 雇用維持とコンプライアンス
2018年1月24日
「労働時間を守ろうとすると、現状では稼げない。そうなると、ドライバーの賃金にも影響して、ドライバーが辞めてしまう。これでは会社が立ちいかなくなる」とする一方、「かといって長時間労働を当たり前としていれば、何かあった時に重い行政処分は避けられず、おまけに若年層の雇用もできず、それもまた、会社の存続が危うくなる」とし、「進むこともできず、また、引くこともできずにどうするか、思案に暮れているのが実情」だとこぼす首都圏の事業者。雇用維持とコンプライアンスの狭間で揺れる胸の内を吐露する。労働時間をはじめ、コンプライアンスの徹底が求められているトラック業界だが、運賃転嫁が難しい中、思うように進められないのが実情のようで、末端の事業者の多くがコンプライアンスという大きな壁の前で立ち往生している。
海上コンテナ輸送を手掛ける首都圏の事業者は、「稼ぐ者は1か月で190万円も売り上げを上げる」という。しかし、聞けば、そのドライバーは寝る間も惜しんで働いているという。
同社では、稼ぎたいという本人の希望をくんでいるが、コンプライアンスという言葉を聞くたびに、同社社長は複雑な気持ちになるという。
労働時間の短縮が叫ばれ、長時間労働の是正を求められているトラック業界にあって、同社社長は「このままではいけない」と、適正な労働時間への移行を考えたことがあったという。そして、ドライバーと相談した。しかし、「ドライバーからは反対の声が上がり、それでも労働時間の削減を進めるなら辞めるというドライバーも出てきた」という。
「辞める」と言ったドライバーは、同社の稼ぎ頭で、いわば同社を支える屋台骨となっており、同社としても失うわけにはいかない。結局、労働時間の削減はできないままで、「事故を起こさないことを祈るばかり」だと、後ろめたさを感じながら、落ちつかない日々を過ごしている。
一方、食品輸送を手掛ける埼玉県の事業者も、労働時間の削減に四苦八苦している。同社では、コンプライアンス経営の必要性から週休2日制の実施に取り組んだという。荷主との運賃交渉や積載効率の向上で、「賃金を変えずに休みを増やす」というコンセプトのもとで改革を進めようとした。
しかし、「人手不足で新しくドライバーを雇用できない」「ドライバーを増やすどころか、辞めるドライバーの穴埋めもできない」状況で、既存ドライバーの負担が増すばかりとなった。当初進めていた週休2日制の計画は結局、水泡に帰することとなってしまった。
「荷主との交渉は、できる環境にはなってきている」という同社社長だが、「新しくドライバーを雇用できない以上、労働時間の削減には限界がある」とし、「守る必要性を感じながらも、だましだましでやっていくしかないのが現状」と、苦しい胸の内を吐露する。
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ただでさえ運送屋が多すぎるのだから法令違反するわ、守れないと言い訳する❗守ろうともしない会社はさっさと廃業させるべきです。
知らんがなww
法律守って経営出来んなら潰れて◯んどけ
まずそもそも週休1日の時点でww
昭和か
言い訳すんな
身銭きるなり会社の儲け減らして従業員にほりこめ