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物流ニュース
運送業のカギ握る運行管理者 どうサポートするのか
2018年10月11日
運送事業者にとって、運行管理は仕事の要と言える。効率的な運行ができるかどうかによって、トラックドライバーの負担も大きく違ってくる。今年度第一回運行管理者試験(貨物)の合格率は28・7%だった。なかなかの狭き門だと言える。運行管理者を、どのように会社がサポートできるか、これからの運送事業者のカギを握っていると言っていい。運行管理の関係者に話を聞いた。
国に運行管理者として登録している人数は18万人を超えるという。こうした運行管理者を「支援していきたい」として、設立総会を開催したのは運行管理推進ネットワーク(東京都港区)。金澤悟会長は「安全問題に責任があるのは、経営者と運行管理者。もう少し頑張ってくれれば、交通事故を防ぐことができたという事例は多い。国交省内でも、これは指摘されている。運行管理者を支援するにはどうすればいいのか。制度を強化して罰則を作るよりも、適切な業務を遂行できる環境づくりが大切」と説明。「しかし、多くは中小・零細事業者。運行管理者にフォーカスして支援する組織はいままでなかった。企業を超えた運行管理者としての責任や事業を支援していく組織にしたい」という。
同ネットワークでは、メールなどでの相談窓口の設置や機関紙などによる啓発活動、各種申請などへの支援事業、資格者証保有を証明する「運行管理者証」の発行、行政や関連団体との連携・交流と政策提言などの活動を実施していく。金澤会長は「運行管理者が悩んでいる一つに、マジメに業務を遂行したくても、十分に支援・理解を得られていない状況を感じていた。行政や各種団体にも制度的なしばりがある。運行管理者の悩みに応えていきたい」という思いが数十年前からあったという。「そして、運行管理者に職務の重要性を再認識していただきたい。そうすることで、違法行為や『やらなかった』という行為をなくすことができる」と話している。
同ネットワークは個人・団体のどちらでも参加可能。社員議決権を持つ正会員と事業の賛助を目的とした賛助会員、事業の利用・参加を目的とした一般会員に分かれている。
運行管理業務の負担を少なくするシステムも登場している。「中小の運送・配送会社の人手不足問題を解決する」ために、集荷してから配送先に向かう最短ルートを算出するシステムをリリースしたのは、オンラインコンサルタント(横浜市)。「配車マンが不在で、配送計画作成にコストをあまりかけられない場合でも最適な配送計画を作成できる」という。例えば、「トラックが工場・物流センターなどに寄って荷物をピックアップし、それから個別の配送先へ配送する場合の最短経路を自動計算する」という。
テクニカルソリューショングループの齊藤公一主任は「効率的な配送計画を、どうやってうまく作れるかが、人手不足解消の重要なカギ」と指摘する。他社製品との違いについて、「他社の配送計画では、集荷と配送のセットでは作れないという点。なお、動態管理ともセットとなっているので進捗管理も行える。また、1台当たり950円となっており、コストメリットがある。他社のものを利用すると、300万円を超すこともある」と話す。
また、「物流とは少し離れてしまうかもしれないが、当社のお客様で、少々カスタマイズして効率化を促し、当社のSmart動態管理を導入したおかげで、売り上げが2倍になった世界的有名な大企業がある。このお客様は、フードチェーン店でデリバリーを行っており、デリバリー事業の効率化を図ったところ、1年間で売り上げが2倍になったとの報告があった」と説明する。
「中小企業では、日報は手書きであったり、急な集荷などの際に電話対応して場所を確認してドライバーに割り当てたり、配車マンの頭の中で1日の配送計画を作成するなど、多くの事業者が効率化できていないのが現状」という齊藤主任。「最近では、トラックドライバーの運転に関しても注意されている事業者の話も聞いている。すべてをITの力で解決することは難しいかもしれないが、これまでより圧倒的に効率化しないとやっていけない状態になっている」と指摘する。
「ただし、中小企業のお客様にとっては、なかなかシステム導入が難しいことも承知している。当社サービスは、中小企業のお客様にとっても導入がしやすいものと考えており、気軽に始められることも一つのメリットと言える」という。
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