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物流ニュース
燃料価格下がれば閑散期? 物流減少を危惧する声
2019年1月24日
経済産業省資源エネルギー庁による給油所小売価格調査が発表され、1月7日現在、軽油価格店頭現金小売価格は前週の127.2円と比べて2.4円値下がりし124.8円と10週連続の値下がりとなり、140円近かった価格もようやく落ち着いてきた。運送会社でもカード買いでの軽油価格は98円から108円とばらつきは存在するものの、軽油価格ピーク時から20円から25円程度値下がりし、コスト増が心配されていた中で急激な値下がりを見せている。この一方で、一部の運送会社では軽油価格の値下がりはうれしい半面、物量が減少し、閑散期に入っていくのでは、という心配の声も聞かれる。
大阪府泉北郡で中堅鉄鋼メーカーの元請けを行う運送A社は、「長年の経験から燃料価格が急激に値下がりすると、物量が減少し、閑散となる傾向がある。昨年11月までは当社も人手・車両不足から同業他社に営業し、車両確保を懸命に行っていたが、燃料価格が値下がり始めた頃から物量が減少し、今月上旬には閑散となりだした。運送事業を始めて50年余り経過するが、やはり燃料価格が値下がりしだすと、事業が暇になるのは本当なのかもしれない。仕事が暇になり燃料の使う量が減るから、燃料価格が下がるのか、それとも燃料がダブついて経済に影響しているのか定かではないが、昔から燃料価格が下がると仕事は暇になるのは本当なのかもしれない」と話す。
また、同和泉市に本社を構え建設機械や資材などを輸送する運送B社でも「燃料価格が下がったと思ったら輸送需要も低下してきた。今年は今までになく正月休みも長かったことなど、約30年運送事業を行っているが閑散期と繁忙期が明確にわかってくるほど、物量の動きが変化している。燃料価格も100円余りで、ようやく安くなったと思っても、物量が減れば何の意味もない。物量が活発に動きだし、燃料価格がさらに下がって利益率が向上することを期待したい」と語った。
燃料価格が下がって閑散としているという意見の一方で、同堺市に本社を構え鋼材などをトレーラで輸送する運送C社では「人材不足のため当社では閑散とはしていない。仕事はあるものの人手が不足しているため、燃料価格が108円に値下がりしても忙しく輸送している。トラックと比べてトレーラは免許を保有するドライバーが少なく、トレーラでの鋼材輸送は、燃料価格が下がっても忙しくしている」と説明するなど、燃料価格が値下がりしてもトレーラでの鋼材輸送は人手不足が上回り、忙しい現状は変化していないようだ。
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