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物流ニュース
ウェルリンク 健康の源「睡眠」、質の低下に警鐘
2019年3月28日
「活き活き働ける組織づくりをサポートする」ことを使命に掲げるウェルリンク(東京都目黒区)は、健康に関する企業向けセミナーを行っている。健康の源である「睡眠」について、同社でSelf健康サポーター・シニアコンサルタントを務める和田隆シニア産業カウンセラーに話を聞いた。
「点呼時に睡眠不足かどうかの確認が義務化されるなど、物流業界でも睡眠への関心は高い」と切り出す同氏。「だが、それもドライバーの自己申告に頼っていることや、睡眠不足をなくすことではなく、チェックすることが目的になってしまっていることなど、課題は多い」と指摘する。「きちんと睡眠を改善する『衛生教育』を指導するとともに、点呼時の確認をセットで行う必要がある」と指摘する。
「体内時計の働きによって、人間は夜になれば自然に眠くなり、朝になれば目覚める。本来は、睡眠にマネジメントは必要ない」というが、「テレビやインターネット、深夜営業など、社会の24時間化によって、情報と光を大量に受け取り続けることで、睡眠の質が低下している」と警鐘を鳴らす。
では、ドライバーが睡眠不足を感じた場合、どうすれば良いのか。「よく言われるのがコーヒーを飲むとか、ガムを噛むといったものだが、これは睡眠物質をブロックするもので、減らす作用はない」と説明。「睡眠不足に最も効果があるのは『眠る』こと。人間の三大欲求の中で、睡眠は最もコントロールが難しく、本当に眠い時は我慢できずに急に深い眠りに落ちてしまう」と危険性を指摘する。
そこで重要になるのが「予防的睡眠」だという。「眠くなりそうだと感じたら、10分程度の仮眠をとる。これを『パワーナップ』というが、脳に蓄積された睡眠物質を取り除くため有効」という。
「トラックで仮眠をとる場合は、シートを倒さずに、座ったままの状態で。横になると深い眠りについてしまい、10分程度の睡眠では逆効果になってしまう」と話す。
「2時間以上まとめて眠れるのであれば横になるのが良い」と語る同氏。4時間に一度、30分の休憩が義務付けられている、いわゆる430休憩については、「ウルトラディアン・リズム」の活用を提唱する。「これは、90分ごとに小規模な眠気を感じやすくなること。眠さを感じてから90分後にまた眠気を感じる状態が到来するため、その時間に430休憩を合わせられるとベストだ」という。
同氏は、「運転中はもちろん、普段から睡眠の質を上げるためにできることはたくさんある」とも。「夜きちんと眠るためには、朝すっきりと目覚めることが重要で、体内時計を正しくリセットするためにも、目が覚めた時に太陽光を浴びるべき」と話す。
では眠る前はどうだろうか。「スマートフォンなどの光や大量に流れ込む刺激の強い情報により、脳は覚醒してしまう。夜眠れず、不規則な生活になる人も増えている」と指摘。寝るときに考え事をしてしまう人も多いが、これも脳の覚醒につながりやすいという。
「その考え事をストレッチや読書など、何か別のことに置き換えると良い。ただし、読書は自分が好きな本や小説などは興奮作用をもたらすので避けた方が無難」と持論を展開。「どうしても考え事をしてしまうという人は、『感謝したい出来事』を考えること」を提案する。
「例えば、『店員さんの対応が良かった』というような、その日あった感謝したいことを考えるようにすると、それほど覚醒にはつながらない」
また、「寝る前のルーティンを決めることも有効」と語る。「入浴して歯磨きしたらストレッチをするといった行動を習慣づけることで、その後に入眠しやすくなる」
「ドライバーは睡眠不足だけでなく、運動不足も心配」と語る和田氏。「肥満は睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすいなど、睡眠への影響も考えられる。トラックを降りた時に短時間でもスクワットやウオーキングを」と呼びかける。
◎関連リンク→ ウェルリンク株式会社
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