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物流ニュース
国内の宅配システムが大きく様変わり 進む「ロボット物流」
2019年9月25日
物流の効率化が進められているが、その中でも「ドローンによる無人配送」が大きな成果を上げているようだ。宅配の「ラストワンマイル」をどうするかは、人手不足が慢性化している運送業界で避けては通れぬ問題だ。この部分を「ドローン」が担えるのであれば、国内の宅配システムが大きく様変わりする。高齢化による「買い物難民」問題の解決にもつながるだけに期待は膨らむ。
ANAホールディングスなど ドローンの物流網構築
ANAホールディングス(東京都港区)と長崎県五島市は9月25日、自律制御システム研究所(千葉市)、NTTドコモ(東京都千代田区)、プロダクションナップ(長崎市)と協力し、五島市における有人島間にドローンを用いた物流網を構築し、二次離島地域住民の生活利便性を向上することを目指したドローンによる物流の実証を実施。今後、五島市無人物流協議会(仮称)を設立し、地域住民、域内の小売業者、医療事業者などと連携体制を構築し、今年度内に合計20日間の実証実験を行う。
ANAホールディングスでは「五島市は11の有人島と52の無人島からなる地方自治体。住民サービスの観点から離島部の利便性の向上を目的とし、11の有人島間の物流の将来にドローン物流の実運用を目指し、さらに雇用の創出を目指す事業を平成30年度から実施。同年度は奈留島─前島間の物流実証で、人口24人の前島に模擬薬と食料品の輸送を試みた」と説明。令和元年度事業として、「五島市無人物流協議会(仮称)を設立し、発注から受け取りまでの仕組みの検討及び検証、ならびに市内でドローン物流オペレーションを担う人材を育成し、将来的な市内離島部でのドローン物流の実用化を目指す」とする。
楽天と西友 自動走行ロボット活用
楽天(東京都世田谷区)と西友(同北区)は9月21日から10月21日まで、一般利用者からの注文を受け、神奈川県横須賀市内の「西友リヴィンよこすか店」から港湾緑地「うみかぜ公園」へ自動走行ロボット(UGV)を活用して商品を配送するサービスを実施している。一般利用者を対象とした自動走行ロボットによる商用配送サービスは、国内初の取り組み。同サービスを実施する「うみかぜ公園」は、楽天と西友が今年7月から横須賀沖の猿島に向けて行っているドローン商用配送サービスの商品を提供する「西友リヴィンよこすか店」に隣接。バーベキューやピクニックなどを目的に同公園を訪れた利用客は、スマートフォンの専用アプリから、同店で扱う生鮮品を含む食材や飲料、救急用品など約400品目の商品を注文できる。楽天の自動走行ロボットが、利用客に選択された時間および公園内の受け取り場所へと注文商品を配送する。
今回の取り組みは、横須賀市が推進するスマートモビリティ (賢い移動運搬手段)を活用した新規ビジネス創出や社会的課題解決を目指す「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環。自動走行ロボットの本格的な社会実装に向けて政府は、2019年度内に官民による協議会の立ち上げや公道上での実証を実現するための基準策定などを予定している。楽天は「早期に一般利用者に自動走行ロボットの利便性を体感していただく機会を設け、ロボットによる配送の実績を重ねることで、公道を含む様々な場所におけるサービスの本格実現を目指す」としている。
◎関連リンク→ ANAホールディングス株式会社
◎関連リンク→ 楽天株式会社
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