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運送会社
ティーケイラインサービス 多角的な経営をスタート、「攻めの配車」がスタイル
2020年4月17日
ティーケイラインサービス(神奈川県横浜市戸塚区)は、建築資材や家庭用燃料電池設備をメインに運搬。このほど、建築リサイクル資材の回収事業も開始し、多角的な経営を始めている。
寺門研社長は自社の営業スタンスを、「日中の仕事を多数取り付ける攻めの配車」と説明。「当社の業務は、ほぼスポット」と切り出す同社長は、「運送の仕事も食事と同じで『主食と副菜』がある。まず、朝一に『主食』となる午前指定の単価の高い業務を入れる。それが終わるといったん帰庫し、車両を乗り換えて、午後着などの『副菜』を複数こなしていく」という。スポットが多いがゆえにイレギュラーが発生することも。「その場合は、ドライバー同士が全力でカバーする。嫌な顔一つせずに皆、自ら『誰か終わっていないところがあれば自分が行きましょうか』と言ってくれる」。
ハウスメーカーの資材を運ぶドライバーとして活躍ののち、1997年に独立。たった一人で事業を始めた同社長は、「当時は走れば走るだけお金になった」と振り返る。転機が訪れたのは、取引をしていた運送会社が事業を畳むことになり、業務を引き継がないかと持ちかけられた時だという。「今でもお世話になっている人にトラック7〜8台分の金額をポンっと融資してもらった」。
それからは、記憶がないほどにがむしゃらに働いた。培ってきた人脈と信頼を武器に事業を拡大し、約3年で返済したという。
現在では、社員は44人、車両は60台と成長を遂げた同社。20代、30代の若手がほとんどだが、「建築資材などは力仕事。若い世代が多いとはいえ、長く勤めれば苦しくなる時もいずれ来るはず」とし、「あまり体力を必要としない業務も増やそうとシフトしているところ」と語る。
同社は、値上げ交渉を敢行し、100%成功を収めたという。「傭車ではなく、パートナーとして仕事をさせてもらう意識が重要。社員の給料・生活を守るのが自分の役目。値上げで出た利益はボーナスなどで社員に還元している」と話す。
同社では、安全に対する取り組みも積極的に行っている。社員がほしいものを書いて箱に入れ、同社長がくじ引きの要領でプレゼントを決める「無事故ボックス」を作成。当初は会社全体で100日間の無事故・ノークレームを目指したが、「なかなか達成は難しかった」。そこで、班ごとの少人数で取り組むと達成者が続出。「ちょっとしたゲーム性もあり、ドライバーのモチベーション向上に一役買っている」という。抽選の模様は録画され、動画編集の上手なドライバーによって社内で共有されている。
「社員同士、仲良くやっていてくれて、事故も減っている」と目を細める寺門社長。「おかげさまで赤字はまだない。これまで真摯に業務に向き合ってきた成果かもしれない」と謙遜する。「今後も飛躍を目指す」という同社から目が離せない。
◎関連リンク→ 株式会社ティーケイラインサービス
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