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    アサヒロジ(後編)「共配ネットワークの拡充めざす」

    2009年12月27日

     
     
     

     アサヒロジ(東京都)の中村恭三社長は「鮮度管理は重要なキーワード」と話す。アサヒビールがテーマにしてきた「鮮度」へのこだわりは、同社の物流現場でも実現されている。


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    徹底した温度管理で消費者の元へ
     ビールの物流部門では、フレッシュローテーションと呼んでリードタイム短縮と在庫削減に取り組み、全国へ翌日には納品できる仕組みができあがっている。食品にはずば抜けた鮮度管理が求められるため、製品が「おいしい状態」で消費者の手元に届けられるように、リードタイムの短縮に努め、倉庫でも5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が徹底して行われている。
     また、環境対策も積極的に進めてきた。一つはビール工場と物流拠点の統合だ。中村社長は「通常は環境対策と経営の採算は反するようにとらえられるが、復荷の確保や共同配送の実施、物流効率化の推進は採算に合うようになっている」として、環境対策が利益にも結びつくとしている。
     この環境取り組みでは、同社のテーマである「1人ひとりが主役」の精神も効果を生んでいる。エコドライブやアイドリング・ストップによる省エネ取り組みが現場から始まったのだ。
     大型車の実運送を担う子会社のエービーカーゴ東日本福島営業所のドライバーが、K2活動(改革・改善)の実践で、エコドライブ活動を実施しはじめたのだ。同営業所では、燃料価格高騰や環境対策のために実践できる現場の改善策を議論し、燃費を向上させるエコドライブに着目した。デジタコのデータを解析して運転方法を研究。必要以上にエンジン回転数を上げて無駄な燃料を使わないために、回転計の最適な回転数の位置にテープを貼って省エネ運転を実践している。
     こうした改善策を提案したドライバーは、改善発表会での発表なども担当している。これは現場の1人ひとりが主役として活躍している例で、モチベーションも高まるという。
     強い現場力と鮮度管理能力を誇る同社が、これから目指すものは何か。中村社長は「食品物流の雄を目指すことと、1人ひとりが主役の会社、という2つのテーマは変わらない」としつつ、「共配のネットワークを拡充したい」と抱負を述べる。 
     同社はアサヒビールとアサヒ飲料の共同配送を進め、さらに中堅の食品メーカーとの共同配送の拡大をねらう。こうした3PL事業の対象として考えているのは、売上高50億│200億円の中堅食品メーカーだ。こうしたメーカーは、製品の製造と販売拡大で企業の成長を第一に展開していることが多く、物流改革には取り組んでいないところが多い。そこで、同社の鮮度管理が徹底された共同配送ネットワークに乗せることで、物流コストと物流品質の向上を提供していく。
                    (千葉由之)
    関連リンク→ アサヒロジ株式会社

     
     
     
     
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