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    エコステ整備でCNG車普及を

    2012年5月8日

     
     
     

     エコロジーに加えエネルギーセキュリティの面からも、普及が進むCNGトラック。北海道内の導入状況は昨年12月現在で454台。着実に増えてきてはいるものの、貨物自動車の総台数に占める割合は0.1%強。1000台に1台あまりの比率だ。


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     地域別の導入状況でみると、全国の2%あまりにしか過ぎず、面積(約22%)、人口(約4.4%)、トラック事業者数(約6%)などと比較しても、北海道がCNGトラックの後進地であることは間違いない。その大きな原因は、インフラ(充填所)の不備に尽きる。
     一般ユーザーが使うことができる充填所は現状7か所。札幌市近郊に6か所、旭川市に1か所で札幌、旭川以外では使いたくても使えない状況が続いている。
     昨年は北ト協会員企業とガス会社が協力して、「低炭素型自動車交通推進事業(トラック分野)」の低炭素型エネルギー活用促進実証事業に補助金を交付申請し、石狩市内に充填所を新設したものの、それでも既存のCNGネットワークを大きく広げる結果にはならなかった。
     充填所が増えない理由は、主に費用の問題だ。設置・運営コストとも高額で「利用台数が十分でない中では赤字が目に見えている」のが実態だ。また、一部事業者からは「うちの地域に充填所が出来たら、札幌や旭川のCNGトラックが来るようになり、仕事が取られてしまう可能性がある」といった消極的な意見も聞かれる。
     難しいのはやはりコストの問題だ。充填所の経営は道内に限らず「厳しい」とする声が多いが、誰かが設置しない限り、北海道のCNGのネットワークはいつまで経っても広がっていかない。「低炭素型自動車交通推進事業」のような補助制度を活用することはもちろん、事業者からのより積極的な動きも必要ではないだろうか。
     例えば埼玉県では10年前、充填所がなかった地域の中小運送事業者20社が共同出資し、エネルギー会社と充填所を作った。株主企業が率先して導入し、その地域でのCNG普及を先導した。
     当時、エネルギー会社の社長に就任した運送事業者は「今やらなかったら、低公害車の普及に弾みがつかないと思った。インフラが先か車が先か、『鶏と卵』の問題はずっと話に上がっていたが、トラックは『環境に悪い』という社会の風潮があったので、チャレンジしてみた」と話していた。経営的には長く厳しい状況が続き、株主企業からの実質的な補填が続いたものの、5社7台から始まった充填台数は、4年後には28社45台にまで拡大した。
     この取り組みは「関東ブロック低公害車導入促進協議会」の低公害車普及大賞を受賞するなど、高い評価を得た。「環境負荷の低減」という一点で運送事業者がリスクを負って行った大きな社会貢献といえよう。
     CNGの活用は現在、環境の側面のみならず、軽油価格が値上がりしたためコスト的にも優位性があり、荷主によるCO2排出抑制や、震災後のエネルギー多様化の要請にも適合している。積極的な導入に対し、追い風が吹いている状況だ。「インフラを自分たちで創る」選択も不可能ではないはずだ。

     
     
     
     

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