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ブログ・橋本 直行
【改善事例が目を曇らせる】
2010年6月5日
トヨタ生産方式を築き上げた、元トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)
副社長の大野耐一氏は、「改善前の現場写真は、破り捨てろ」と
説いたというエピソードがあります。
なぜ破り捨てるべきかというと、「改善前の写真が残っていると、
過去の努力に意識が行ってしまうから」です。
そうなってしまうと、そこにまだムダがあっても、あるいは状況の
変化で新たなムダが生まれても、それが見えなくなると言います。
自分自身が、一生懸命改善して仕上げた現場への愛着が、「目を
曇らせる」のです。
過去の成功体験が阻害要因となるのです。
大野耐一氏曰く、
> 大切なことは、今そこにあるムダを見つけ出すこと。
> そしてそれを排除することだ。
> それまでにどれほど努力したかは関係がない。
> どんなに素晴らしいアイデアを出したとしても、
> それはもう過去のことなんだ。
> だから、自分の目を曇らせるきかっけになるものは、
> なるべく身近に置かないこと。
私は、今まで多くの現場で「改善事例集」を、クライアント企業様と
一緒に作ってきました。
しかし、その是非や運用方法について、あらためて皆様と議論して
みたいと思います。
岩月伸郎著「生きる哲学 トヨタ生産方式」(幻冬舎)この記事へのコメント
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筆者紹介
橋本 直行
船井総研ロジ株式会社 取締役執行役員 事業部長
1972年生。兵庫県尼崎市出身。関西学院大学法学部卒業。物流企業の業績アップ専門コンサルタント。特に、問い合わせを激増させるホームページの企画や受注率を上げる企画提案書の制作のノウハウは、社内トップクラス。 繁盛物流企業を創るための経営研究会「FUNAIロジスティクスソサエティ」主宰。 -
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