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ブログ・馬場 栄
第150回:ドライバー不足の問題(2)
2019年5月24日
前回に引き続き「ドライバー不足の問題」についてお話していきます。前回は、給与面での工夫についてお話しましたが、今回は別視点でのアプローチ方法についてお話します。
人材不足から今後は新卒ドライバーや運送業以外の業種から未経験者を採用する機会が増えてくると想定されます。そのため教育研修制度が非常に重要となってきます。ドライバー教育のメインテーマは「安全対策」です。まずは「安全対策」を徹底指導、並行して「マナー・接遇研修」も実施します。外部専門家を活用することも有効となってきます。数年経過したドライバーは、新人ドライバー向けの「教育指導」要員として育成していき、特に指導力の高いドライバーについては幹部候補生として育成していくことも考えられます。幹部として適性があれば、営業所管理などの役割を担うこととなり、計数管理スキルが必要になってきます。若い社員は、数十年この会社で働いていけるか考えているものです。頑張れば、幹部など将来の新たな道が見えることはモチベーションアップにつながり、定着にも効果があります。
また、次のような取り組みを行っている会社は定着率が安定する傾向にあります。①無事故・無違反のドライバーの家族に社長が直筆の感謝状を送っている②「ドライブレコーダー」「デジタルタコグラフ」など安全面の取り組みをHPなどで掲載し、家族や外部にアピールしている。
これらは一例ですが、「安全対策」を行っていることをアピールすることで、会社に対して家族の理解を得ることができます。家族は「運送業は危険な仕事」と認識しているところがあり、少しでも安全対策がしっかりした会社で働いて欲しいと願うものです。
求人がうまくいっている会社の例として、検索エンジン対策をした「スマホ求人広告サイト」を設置していることがあげられます。多くのドライバーは、パソコンから検索するよりも、休憩中にスマホ求人サイトを閲覧し会社を選定しています。特に未経験者や若手の人材採用を進めたい会社は取り組みが必須といえます。例えば、スマホサイト内に動画で「ドライバー研修シーン」「社員インタビュー」「社長メッセージ」などを設置している会社は、ビジュアルから会社の雰囲気も伝わり募集活動が比較的うまくいっています。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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