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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(255)人材教育
2019年8月12日
1.5Sの実践で現場リーダーを育成する
・現場リーダーの役割
現場リーダーは職場の報連相(コミュニケーション)の中心である。センター長からの方針、指示を噛み砕いてメンバーに伝える。
例えば、センター長から「今週はあいさつの徹底という職場目標だ」と指示が出る。現場リーダーは具体化する。あいさつ訓練の徹底を図ったりする。あるいは、あいさつチェックシートを活用していく。さらにセンター長の指示という上からのみではなく、下から(メンバー)の意見、アイデア、不満などを吸い上げていく役割がある。そのために現場リーダーは週1回30分〜60分の職場ミーティングを行っている。配送部門ではメンバー全員が顔を合わせにくい。出発や帰庫の時間がマチマチだからである。そこで、定期的にメールを活用する。その上で配車担当者と相談して、月1回は全員顔を合わせる。現場リーダーは他のグループとの柔軟な関係付けの役割がある。物流センターの仕事は前後の作業がつながっている。他のグループとの連携プレーが求められるからだ。配送部門についても、月1回の職場ミーティングで全員が顔を合わせようとすると、他のグループの協力なくしてはできない。現場リーダーの役割はコミュニケーションのパイプ役である。
・現場リーダー制度の効果
クレーム・トラブルという現象は表面である。表面をめくると職場のコミュニケーションの実態が出てくる。職場規律がゆるんでいる。上司が見て見ぬ振りをしている。ナアナアで済ませている。こうした状況を改善する上で、現場リーダー制度の確立は効果がある。現場の中に改善の宝が埋まっている。センター長いわく、「職場の5Sを徹底しないとクレーム・トラブルは減りませんね」。改善の宝は5Sの実践である。A物流センターでは、取り組み実践表を各職場に張り出して周知している。
5Sの直接的効果として、①「仕事のムダの減少がある。物を探すムダが減る」②「品質のムダの減少がある。クレーム対応のムダが減る」③「安全の確保がある。通路の確保による安全や、しつけによる安全ルールの徹底がある」④「職場モラルの向上がある。しつけによって時間管理や挨拶を徹底する」⑤「荷主評価が向上する。物流サービスの信頼が高まり、企業イメージが向上する」
間接的な効果としては、⑥「現場リーダーの管理能力向上がある。PDCAを実践する能力が向上し、メンバーとのコミュニケーション力がアップする」⑦「組織の問題解決力が高まる」⑧「組織の活性化が進む。目標に向けてチャレンジする姿勢が向上し、他グループとの連携が深まる」
・5Sの実践で現場リーダーを育成する
「なかなか人は変わりませんよ。ダメなものはどこまで行ってもダメですよ」…。物流現場でよく聞く声である。「どうしていいか分からない、どこから手をつけていいのか」。だからこそ現場リーダーの育成によって、5S実践職場創りが必要となる。継続して日々取り組むことである。ダメだと諦めに沈んでしまってはいけない。できるまでやり抜く。失敗とは諦めた時である。以上。
この記事へのコメント
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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