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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(272)人材育成についてーA社の事例(2)

    2019年12月16日

     
     
     

     A社では、社長が先頭になってB4の大きさの社内報を作成することとなった。社長と、いろいろと話し合った結果、人材育成に取り組む第一歩として職場風土の改善から着手することとし、コミュニケーションの円滑化の一つとして発行することとなった。

     

     形式的な研修で人は育つものではない。トップの考え方や生きる姿勢を、はっきりと社員に示すことで、職場のムードは変わる。社内報で社長は「私の人生」と題して毎回発表し、一歩一歩信頼づくりからスタートしている。第1回の内容の要旨は次の如くである。

     私は25歳のとき独立して、今まで30年、無我夢中で働いてきた。これから自己の人生を語るので、一人ひとりの社員は参考にして、ともに我が社をより成長させていこう。そのためには自己の能力を伸ばしてほしい。もっともっと成長してほしい。我が社も、これから教育に力を入れるので私についてきてほしい。

     今回は〝最初の社員〟と題して述べる。私は、はじめ妻を留守番にして、来る日も来る日も2㌧トラックに乗ってハンドルを握っていたが、仕事も忙しくなってきたので新聞に求人広告を出した。3人ほど面接して、そのうちの1人を採用した。A君である。A君の入社日の前日、私はよく眠れなかった。本当に来てくれるのだろうかと心配だったのである。入社日にA君が姿を見せてくれたときは本当にうれしかった。最初の社員である。

     しかし半年後、辞めていった。わずか半年しか続かなかった。本当に悲しかった。人を使うことの難しさをつくづく感じた。今は、運にも恵まれて、50人の社員になっている。最初の社員A君の入社日前日の心配、眠れぬ一夜、これを忘れたら経営者失格だ。仕事は1人ではできない。人が集まって組織を作り、会社が成長していくのだ。50人の社員は、もっともっと伸びていってほしい。みんなが伸びれば会社が伸びる。人材育成に私は本腰を入れる。

     A社のケースは、中小企業の人材育成について、いろいろなことを示唆する。働いている社員の成長することへの諦めを一掃すると、経営者、トップが、夢をもち社員を信頼し、自己の人生観、価値観を充実させていくこと、そして人材育成に喜びを感じる大切さである。

     押しつけの形だけの研修では、人は育たない。良い種も良い土壌から芽を出してくる。土壌こそトップの姿勢であり、それを反映している職場風土である。

     A社では、人材育成として会社の中期ビジョン作りに取り組んでいる。中期ビジョンをはっきりさせて共有化することで、良い土壌作りをしているわけだ。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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