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ブログ・小山 雅敬
198回:「働きやすい職場」認証制度の変更点と申請への取り組み
2020年12月22日
【質問】本年度からスタートする予定の「働きやすい職場」認証制度について教えてください。
8月7日に一般財団法人日本海事協会から「運転者職場環境良好度認証制度」(通称「働きやすい職場」認証制度)の「2020年度申請案内書骨子」が発表されました。従来公表されていた「認証項目案(トラック83項目)」の内容が、今回の変更でトラック25項目(旅客含め27項目)の必須項目に集約され、大変申請しやすくシンプル化されました。提出書類も、就業規則、36協定、労働条件通知書、安全・衛生委員会の構成員一覧など、定期健康診断結果報告書、行政処分の是正措置結果(1年以内に行政処分を受けた企業のみ)などの写しに絞られ、申請負担の大幅な軽減化が図られました。
本年度は9月16日〜12月15日の3か月間(予定)の申請期間中に「一つ星」の申請のみを受け付ける予定ですが、今回、内容が簡素化されたことで非常に取り組みやすい制度になっています。必須25項目の内容は単独項目21個と選択項目4グループに分かれ、選択項目はグループごとに多数の項目の中から一定の基準点を満たせばよいことになっています。単独項目21個の内容は、いずれも日頃から法令を遵守して経営を行っている会社には全く問題なくクリアできる項目ばかりです。
また従来、「過去3年間」となっていた基準対象期間が「過去1年間」に短縮され、さらに申請しやすくなりました。選択項目の4グループは「労働時間・休日」や「心身の健康」「安心・安定」「多様な人材の確保・育成」のテーマごとに選択できる項目が列記されておりますが、各項目の内容は取り組みやすい項目が並んでいます。変更後の認証項目はかなり申請のハードルを下げて、多くの事業者が取り組みやすい内容に修正されている感があります。
全ての運送事業者はこの「働きやすい職場」認証制度に初年度から申請を行うべきでしょう。認証を取得し、次年度(2021年5月登録見込)から、求人票や自社ホームページなどに「働きやすい職場認証取得企業」であることを明記して優秀な人材の確保を図り、各トラックに「認証マークのステッカー」を貼って道路から社会全般に自社の取り組みをアピールしていくべきです。自社HP上での自画自賛の言葉より第三者の客観的な認証のほうが10倍の説得力を持ちます。早速、申請準備を進めてください。
(コヤマ経営代表 中小企業診断士・日本物流学会会員・小山雅敬)
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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