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ブログ・小山 雅敬
第132回:求人広告の簡単な見直しで応募が急増!
2018年6月5日
【質問】求人広告を定期的に、求人雑誌に掲載しているのですが、まったく応募が来ません。どのように作り変えれば良いか、ポイントを教えてください。
最近、関東の運送会社で、実際にあった事例をご紹介します。
その会社は車両台数13台、社員数17人の小規模な運送会社でした。事務所は都市部から車で1時間以上離れた場所に所在しています。このところ退職者が続き、空き車が出たため、人材確保が急務でした。求人雑誌に定期的に広告を掲載していましたが、まったく問い合わせがない状態が続いていました。 経営者は「このあたりでは募集しても来ませんよ。○○市に営業所を出して募集するしかないと考えています」と、完全にあきらめ顔でした。
私は「今出している広告を見せてください」と言い、拝見しました。運送会社で良く見る定番の求人広告でした。トラックの写真が掲載され、大きく「大型ドライバー求む」と書かれた下に、労働条件が書かれているものです。私は即座に「これでは応募がないのは当然ですね」と伝えました。その時、会社の壁に一枚の写真が貼られているのに気が付きました。懇親会で、社員が楽しそうに会食している写真でした。私は「この写真を載せてください」と言いました。総務担当者は「運送会社の広告に、お酒を飲んでいる写真で良いのですか?」と心配して尋ねました。「構わないので、掲載してください。写真の下に大きく『みんな仲良しです』と書いてください」と伝えました。
「御社のアピールポイントが全く書かれていませんね。御社のPRポイントは①仕事が安定した定期便であること②手積み・手下ろしがないこと③毎日自宅に帰れること④全線高速に乗務させていることーーです。この条件で、これだけの賃金を支払っている会社はそう多くないですよ。自信を持ってアピールしてください」と伝えました。「定期便で安定しています! 手積み・手下ろしはありません! ○○~○○間全線高速利用です!」と大きく列記してもらいました。賃金は大きめに記載しました。
求人広告を作り直して出した途端に4人の応募者がありました。応募者ゼロだったのに、いきなり採用予定数の倍の応募があり、経営者は大変喜んでいました。「先生、次はどうやって選べばよいですか?」と選別の相談に変わったのです。
どんな会社にも自分では気づいていない強みがあります。それを探して求人広告に載せれば良いのです。
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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