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ブログ・高橋 聡
第194回:令和時代の運送業経営 ドライバー採用・定着編(3)
2021年4月4日
【ドライバー採用・定着編】③
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウィルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
コロナ禍の影響を受ける中、ドライバ―不足の原因となる「定着しないこと」に関し、「草食系ドライバー」の指導・育成には「合わせる」こと、話すスピード感を合わせる「ペーシング」が大切と説明させていただきました。今回は「職人系ドライバー」の指導・育成について解説いたします。
「職人系ドライバー」は一般的にコミュニケーションが取りにくいタイプです。管理される事を嫌い、いわゆる「口下手」な方が多いのが特徴です。
このような「職人系ドライバー」とのコミュニケーション方法としては「任せる」ことが大切です。運送会社での経験を持つ方なので細かな説明より大筋を説明したうえで「信用し任せる」ことが必要です。「職人系ドライバー」の中にもいくつかのタイプがあります。
それぞれの特性を理解したうえでコミュニケーションをとる必要があります。「プロ型」一匹狼的な方で仕事内容に口出しされるのを嫌います。しかしながら仕事は一流志向で延着等の業務ミスは起こさない方です。長時間労働に対する不満もあまりないため会社としては貴重な戦力となります。「データ型」はとにかく筋が通るかを重視します。このような方に指導する場合は、例えば燃費に関し具体的な数値・データで説明することが必要です。一方で「感覚型」の方は例えば燃費コンテストや無事故表彰等で表彰することが大きなモチベーションになります。ノリがよく明るい雰囲気作りが得意なタイプです。
「人情型」は口数少なく朴訥なタイプが多いのですが、信用している社長からの依頼事項に関しては忠実に従うタイプですので「信頼関係」を作っていることが関係作りに有効です。
「職人型ドライバー」との関係作りに苦労している社長が多いのが実情ですが、このようにある程度の「分類」と「タイプ」を前提に接してみて違和感があれば軌道修正しながら付き合っていく事をお勧めします。ドライバーの「定着」はドライバー不足の対策として重要ですし、コミュニケーションは就業規則等の文書・ルールと同等の労務管理の重要な対策です。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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