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ブログ・高橋 聡
第237回:令和時代の運送業経営 休暇・休業・休職対応編(34)
2023年3月13日
【採用・退職トラブル対応編】㉞
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今回も前号に続き、「採用・退職時における留意事項」について運送業経営者が知っておくべき労働関連法の内容及び周辺知識について解説してまいります。(その2)
1.採用時の留意事項
ドライバ―を採用しようとする場合、ネット媒体、折り込みチラシ、フリーペーパーそしてハローワークなどに募集広告を出し、そこからの反響、問い合わせに対し、まずは「面接」するという流れが一般的です。
⑴採用面接時に確認すべき書類
①履歴書、免許証、資格証明書(写し)、運転経歴証明書など
履歴書、免許書、資格証明書(写し)は必ず取得する必要があります。履歴書の記載内容については「丁寧に書かれているか」「職歴について、短期(2年程度)で入退社を繰り返していないか」「事故・違反歴がないか」などについて確認します。②SNS履歴
加えて、近年のトラブル事例を勘案し入社前に「SNS履歴調査」をすることをお勧めしています。SNSの発信履歴を調べることで、履歴書では分からない素性、性格、行動履歴などを把握することが可能になります。ネット調査の専門機関に依頼し実施するのである程度のコストがかかりますが、入社後にトラブルを起こす人物について、何故入社の際に気づけなかったかという声が大変多い状況です。
SNSでどのような人物をフォローし、フォローされ、どのようなことに関心を持っているか、画像や発信歴などで過去のトラブル履歴も発見することができる場合があります。
特に若手層(20歳台、30歳台)の応募者への事前調査の際に有効です。⑵採用面接の際に聞くべき事項
①前職を辞めた理由
何故前職を辞めたのかに関しては聞いておいた方がいいでしょう。あまり前職のことを悪く言う方や金銭面でのトラブル(事故弁済金、貸付金など)で退職した方は要注意です。②当社での業務内容への理解
保有資格や経験などにより自社のどの仕事に就くか検討していきます。その際に、できるだけ具体的に当社の具体的な業務内容について理解を得る必要があります。例えば荷物の条件(手積みかパレットか、カゴかなど)、運行内容(件数、距離数、時間帯など)については前職と異なる点を重点に説明しておいた方がいいでしょう。2.入社前事前確認書、健康告知書
入社前に「入社前事前確認書」を取得し問題人物かどうかを確認すること、また、健康状態については「健康告知書」を取得することをお勧めします。面接時に口答での確認をする事は必要ですが、入社後に「言った、言っていない」という状況になることも想定されるため、書面を取り付けておきます。
それぞれの内容については次号で説明します。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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