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運送会社
多摩中日運輸 主婦の活用で職場明るく
2015年7月24日
国交省が「トラガール促進プロジェクト」を展開するなど、トラック業界では現在、女性の活躍が期待されている。背景には深刻な人手不足があるが、こうした中、主婦をはじめ、女性の積極的な活用に取り組む事業者も出てきた。ドライバーの労働時間の短縮が図れるとともに、社内の雰囲気も明るくなるなど、好影響をもたらしているという。
多摩中日運輸(荒川隆義社長、東京都東大和市)は昭和51年の創業以来、これまで新聞輸送を専門に携わってきた。創業者である先代の後を受け、昨年10月に荒川氏が社長に就任した。長く現場を経験してきた同社長にとって、新聞輸送は「休刊日以外は休みがないのが当たり前だった」。
ただ、長時間労働の改善が叫ばれるなど、業界を取り巻く環境も変化してきた。その中で、「昔なら当たり前だったことが、今は当たり前では済まなくなってきた」と、危機感を感じるようになっていた。「時代に合った労働環境の整備の必要性、さらには、いい仕事をしてもらうためには、それなりの休みも必要」と考え、社内体制の整備に取り組んだという。
仕事量が変わらない中で、ドライバーの休みを増やすということは、当然、そのままでは人手不足になる。しかし、新たな正規雇用ではコスト増という重荷が降りかかってくる。そこで考えたのが、短時間でできる仕事を作り、そこをアルバイトやパートに委ねるというやり方だ。
幸い、同社の場合、朝刊と夕刊の配達という二つの仕事に分けることができ、車両も1㌧バンという比較的運転しやすいこともあり、アルバイトやパートの仕事を準備することができたという。
求人誌で広告を打つ一方、同社長自らアルバイト募集のチラシを作成し、同社の従業員とともにポスティングによる求人活動を実施。求人を行う中で、仕事内容を午前9時20分から午後2時10分まで(週2~5日)という短時間に区切り、「女性スタッフ活躍中」「家事の合間に小遣いが稼げる」など、主婦層へ訴えかけた。
その結果、同社長の希望通りの反応があり、主婦を採用することができた。昨年10月から始めた取り組みだが、今では7人の主婦が頑張って働いているという。
主婦の採用について同社長は、初めての取り組みで多少の不安もあったというが、「優しい運転で、仕事もまじめで定着率も高い」という。さらに、「女性ならではの気配りができ、配送先にも好評」。そして、「何より女性がいることで、社内の雰囲気が自然と明るくなった」と喜ぶ。
当初はドライバーの労働環境の改善を図る中で見つけた女性の活用だったが、今では、その女性らが同社を大いに盛り上げてくれている。そんな環境に同社長も、「女性の明るさは、会社に活力をもたらしてくれる」と、笑顔と自信をのぞかせている。
◎関連リンク→ 株式会社多摩中日運輸 -
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