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物流ニュース
運転従事者脳MRI健診支援機構 「初期段階での発見が重要」
2024年9月2日
運転従事者脳MRI健診支援機構(東京都渋谷区)は、職業ドライバーに「脳MRI」受診を推奨することで、脳疾患に起因する運転中の事故防止を目指している。蒲原正弘事務局長は、「脳動脈瘤は進行すると開頭せざるを得ないが、初期であればカテーテル手術が可能で、術後2週間ほどで職場復帰される方も多い。症状がない初期段階で発見することが重要」と強調する。
一般的に、「脳卒中」は、「高血圧性脳出血」「脳梗塞」「くも膜下出血」の3通りに分けられる。このうち、前者2つは、「定期健康診断で高血圧や脳梗塞予備軍と診断されれば、予防策をとれる」
しかし、「くも膜下出血は遺伝的な要素が強く、予兆なく突然発症するのが特徴。MRI検診なしには事前の対策は不可能」とし、「脳MRIで脳動脈瘤を発見できれば、予防的治療が可能」だという。
「受診料が高い」イメージの脳ドックだが、同機構では脳を輪切りにした画像で脳梗塞や脳腫瘍を発見する「MRI」と、血管の状態を見る「MRA」の2つを組み合わせた診断を推奨し、全国一律で2万2000円に設定。「血液検査や心電図など、定期健康診断で実施されている項目を省き、画像診断に特化することで低価格を実現している」という。
「健診は企業側も安心できるが、ドライバーやその家族への安心感も大きい」と語るのは、営業の責任者を務める野口一郎業務部長。「本人はドライバー職に就きたいと思っていても、ご家族、特に『妻と娘が反対する』パターンはよく耳にする。そこで、『この会社は脳健診も受けさせてくれる』と言うと『そういう会社なら』と理解を得られるケースも少なくない」と、採用活動に一役買っている事例を挙げる。
「コロナ禍での受診控えもあったが、今年度は、受診事業者数、受診ドライバー数ともに昨年度比で増加している」と話す野口氏。蒲原事務局長は、「脳疾患でひとたび事故が起これば、社会全体の損失につながる。助成や補助を広げ、国・社会全体で脳健診を受診しやすい環境がさらに整備されれば」と語る。
◎関連リンク→ 一般社団法人運転従事者脳MRI健診支援機構
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