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物流ニュース
24年問題の解消に向け荷主と運送事業者が連携「ベストプラクティス企業」
2024年11月12日
厚労省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定めている。今年度はメディアにも大きく取り上げられた物流の2024年問題に注目し、長時間労働削減に積極的に取り組む運送事業者と荷主を「ベストプラクティス企業」として、労働局長・運輸支局長が訪問し、意見交換を行った。
神奈川労働局長は11月11日、神奈川運輸支局長と「ベストプラクティス企業」を訪問し、長時間労働削減などに向けた取り組みを視察した。
同県のベストプラクティス企業に選ばれた「キリンビール横浜工場」「キリングループロジスティクス東日本支社横浜支店」「イディアK&Iパートナーズ横浜」は24年問題がはじまる前から、物流課題解消のために連携して取り組んできた。
ベストプラクティス企業との意見交換で、神奈川労働局の藤枝茂局長が「数年前から物流改革に取り組んでいるということだが、どういったところが課題だったのか」と質問。
キリングループロジスティクス東日本支社物流管理部の丹羽俊晶部長が「横浜工場では1日当たり180台のトラックが出入りしているが、混雑を防ぐための割り振りが課題だと認識していた」と回答。
続いて、神奈川運輸支局の柳瀬光輝支局長が「現場を視察して、皆さんが危機感を持って物流対策を行っているということが感じられた。国交省としても商慣習の見直しをしっかりとやってほしいと思っているが、着荷主から無理難題などはあるか」と質問。
丹羽部長は「当社では各事業会社と共通認識が図れているので、無理難題を主張しあう議論は少ない」と回答。
神奈川大学で「物流」について勉強している齊藤実ゼミナールの学生からは「発着荷主すべての連携が大事ということだが、具体的にどのくらいの頻度でどのような話し合いをしているか」と質問。
丹羽部長は「社内では定期的に物流課題について話し合う場を設けて20年ほど続けており、今は月に1回定例会を開いている。社外とは課題によって頻繁に話し合いをしている」と回答した。
また、東京労働局長も同19日、東京運輸支局長と「ベストプラクティス企業」を訪問し、働き方改革に向けた取り組み「F―LINEプロジェクト」について説明を受け、意見交換を行った。
個社の物流で対応できなくなった国内食品メーカー5社が取り組む24年問題とF―LINEプロジェクトでは、荷主と物流会社が一体となって物流課題の解決に臨んでいる。
意見交換で、東京労働局の富田望局長が「取り組みのきっかけが働き方改革法案施行ということだがどなたが提案したのか」と質問。
味の素の森正子食品事業本部物流企画部長が「2013年にトラックが手配できずに商品が運べなくなった時に荷主各社の社長が集まって話し合ったのがきっかけ」と回答。
F―LINEの坂本次郎社長は「人にやさしい持続可能な物流の実現に向けて荷主企業ともども推進を図っていきたい」と話した。
また、東京運輸支局の織田陽一支局長は「ベストプラクティス企業による取り組みの好事例は、トラック・物流Gメンの活動においても重要な情報となる。十分な活動ができるようにしていく」とした。
◎関連リンク→ F‐LINE株式会社
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