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国交省 実態調査の結果に基づき多重下請け構造問題を議論
2025年1月2日New!!
国交省は11月28日、第2回「トラック運送業における多重下請け構造検討会」を開催。同省が実施した事業者へのヒアリングなどの実態調査の結果に基づき、多重下請け構造が発生する原因や今後の議論の方向性について議論した。
実態調査の結果から、検討会では「多重下請け構造は長年の商慣行が根強く原因としてあるということがわかった」とし、「どのように改善していくのかは難しいところではあるが粘り強く是正をしていく必要がある」とした。
多重下請け構造の一番の問題は、実運送事業者に適正な運賃が入らないことで、結果としてドライバーの低賃金につながっているところである。
国交省から初めて、「標準的運賃になにかしらの効力を持たせるか、下限運賃などを強制力のあるものにすべきといった委員からの意見について検討していく必要があるかもしれない」と話した。
また、「運賃水準を引き下げる原因となる『帰り荷を安価な運賃で輸送する』という慣習も併せて改善していく必要がある」との意見も出た。今回の意見を含めて、可能な限り調査を行って、次回(1月下旬予定)の検討会では論点整理を行うとしている。
なお、マッチングサービス事業者5者、一般貨物自動車運送事業者24者、利用運送専業事業者4者を対象にしたヒアリングと個別事例調査も行われた。
マッチングサービスへのヒアリングでは、コンサルティング型と掲示板型のマッチングサービス事業者にヒアリングを実施。責任範囲について前者は「運送責任あり」とし、後者は「運送責任なし」とした。
また、運賃への関与について、前者は「求車側への運賃交渉や、過去の利用歴に基づく求荷側への提案など、案件ごとに対応する」とし、後者は「運賃設定には介入しない」「標準的運賃との乖離状況を表示する」としている。
個別事例調査では、トラック運送事業者がほかの運送事業者を利用する場合、下請けに出す理由として、「運送依頼は一度断ると仕事が来なくなる」や「好条件の運送依頼は下請けに出して利ザヤを稼ぐ」などの意見があった。
このほか、ほかの運送事業者からの運送依頼を受ける場合、元請けではなく下請けとして運送を行う理由として、「手数料を抜かれているのはわかっており、できれば元請けや荷主と直接契約したいが、業界のルール違反になるのでできない」という回答が多数あった。
◎関連リンク→ 国土交通省
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