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物流ニュース
中央 齊藤取締役「セミオーダー式の物流を展開」
2016年9月21日
中央(東京都墨田区)は、経営理念に「信」の一文字を掲げ、「アウトソー信グ」をキャッチコピーに、セミオーダー式のフレキシブルな物流を展開。齊藤卓哉取締役は、「信用、信頼、自信などアウトソーシングを行うにあたって大切なことには、すべて『信』が含まれている」と説明し、「荷主企業に資産を預けていただくという我々のサービスでは、『安心して任せてください』と言えることが重要で、自信も必要」と付け加える。
荷主とのコミュニケーションという意味で、「交信」も大事なものの一つ。「この仕事はイレギュラーな事案がたびたび発生する。そのような出来事に直面した際に、その都度、顧客と緊密な連携を取ってしっかり対応することが重要」。
この「信」の理念を従業員に浸透させるため、7つの「行動指針」も策定。「理念は社長と私の2人で決めたが、行動指針は全社員がグループに分かれて話し合い、最終的に投票で決めた」。
「従業員個々のレベルアップを重視している」という同社では、物流技術管理士、通販エキスパート、ロジスティクス管理など物流系の資格取得を推奨するとともに、毎年一つの通信教育講座を原則、全員が受講。講座は自由に選択でき、「物流以外であっても、あまり趣味に走り過ぎない程度であればOK」だという。「多少でも業務に関わりのあるものであれば許可しており、『みんなでレベルアップしていこう』という考え。物流にこだわりすぎると、モチベーションが保てない」。費用は会社が全額負担するが、手つかずにならないよう、「普通に受講していれば、まず落ちないレベルのテストで落第すると自腹」だそうだ。
人材は中途採用が多いが、「倉庫業の経験者を優遇することはほとんどない」という。「前の会社のやり方を、『これが正しい物流のあり方』と固定観念を持たれている方が多い。これは良いこともあるが、マイナスに働くケースが少なくない」からだ。「会社は変わっていくべきもの。同じことをやり続けるのではなく、あえて異業種のさまざまな経験を持つ人材を採用し、多様性を持って、違う角度から少しでも良くしていきたい」と持論を展開する。
同社が打ち出す「セミオーダー物流」について、「型にはめたやり方で、低価格の物流サービスを提供する方法がある一方で、コストは上がるが、ケースバイケースのアナログ対応もある」と説明。同社がめざすのは「フルオーダーは難しいが、1件1件、顧客と話をする中でやり方を決め、細やかな対応をする」という姿勢だ。
一例では、スーパーなどの店頭で行われる試食会や試飲会の資材管理を担当。実施店舗が決まると、ホットプレートや紙コップ、エプロンなどの資材一式を送付。終わるとそのまま同社倉庫に返送され、エプロンの洗濯からホットプレートの洗浄まで同社が行い、資材を再び保管する。「これも顧客と話す中で生まれた仕事。『ここまでやってもらえるとありがたい』という声をもらったら、何とかできる部分を探し出し対応している」。
一方で、個人事業主や新規立ち上げ事業者向けに通販物流に特化したパッケージも開発。「多様なニーズにできるだけ応え、取りこぼしをなくす」と、意欲的だ。
前職はゲーム制作会社のディレクターで、物流という全く畑違いの業界への転身。「前職では1か月間、家に帰らないこともあったが、この会社に来て健康的になった」と笑う。
◎関連リンク→ 中央株式会社この記事へのコメント
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