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物流ニュース
ジャストカーゴ 清野敏彦社長(4)10年後の世界をイメージ
2017年8月3日
ジャスト・カーゴ(北海道石狩市)の清野敏彦社長は、平成17年に破綻寸前だった会社の経営を任された後、厳しい資金繰りを乗り越え、長く住宅メーカーの荷主1社に依存していた経営体制の見直しに着手する。多くの助けもあり、複数の住宅メーカーをはじめ、住宅資材・設備メーカー、製材・材木工場など住宅に関連する幅広い顧客を中心に仕事を大きく広げ、経営を軌道に乗せた。現在でも荷主の物流担当だけではなく、営業担当など部門をまたいだ働きかけを行い、共同配送をはじめとした物流効率化につながる提案営業を先頭に立って進めている。
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同社長は、「ドライバーあがりのため、提案のための文章を書くのは得意ではない」とするものの、「今ないもの」「これからできるもの」といった「5〜10年後の世界」をイメージすることが好きだという。
「可能かどうかを別にして、最適な形をイメージする。その際、自社をはじめ発着荷主などの利害を一切考えず、『どうなるのが一番いい物流なのか』を天から見る感じで、純粋に理想の形を考える」
当然、現実問題として実行不可能なこともでてくるが、その際は、それを実現するために具体的に何をすればいいのかを考え、問題を一つずつ潰していく。「こちらの提案に、顧客などから『理屈はいいけど難しい』といった反応があったなら、『なぜ、できないのか』と聞き、一つでも課題を乗り越えていくよう話を進める」とし、このような取り組みについて「漫画の世界を現実の世界にする」作業と表現する。
「今の仕事のやり方を将来も同じようにやっているかというと、おそらく違う。『どうしたら物流の効率がよくなるのか』を考えて、こちらから顧客に提案することが重要。その際、10〜20年後も一緒にパートナーとしてやるなら、価格だけの話だと続かない。物流の仕組みそのものを改善しないといけない。今と同じスタイルで仕事を続けていくだけなら、10年後には通用しなくなっている」。自社や荷主だけにとらわれるのではなく、もっと大きい枠で見ると、積載状況や発着場所の組み合わせによって、「いろんな物流の組み方ができる」と強調する。
「正解は一つではなく、やり方によっていろんなことができる。はじめから無理だと諦めるのではなく、まずどうやったらできるのかを考える。弊害が出てきても、それを除いていけばいいだけ。もしかすると『建材と卵』や『建材とアイス』といった共同配送もできるかもしれない」と話す。
同社では手がけていないが、コンビニの配送についても「車両サイズも同じ、店舗もだいたい近くにあり、荷物はカーゴテナーなので、グループを超えて物流の共同化を進めれば、大幅な効率化につながる可能性が大いにある」と指摘し、「バカみたいなことと思われても、一番シンプルな物流の形を阻害しているものが何かを考えると、意外とできないことはない」と捉えている。
会社としては、基盤がしっかりしてくるに従い、教育、ルール、コンプライアンスなどを意識するようになり、これらをしっかりと整備しなければ、次のステップにいけないと考えるようになった。
「自分がドライバーだった時は、輪留めなど関係なく、制服も着ないのが当然。荷物が間に合いさえすれば、どこで休憩しようが、一回会社を出るとほぼ自由だった。だが、今は服装の着用から言葉遣い、運行ルート、休憩のタイミングまで指示される。昔の考えなら、『そこまで管理されてまでドライバーをやりたいのか』となってしまうが、時代の流れを無視していると取り残される。今の若い人材は給料よりも休みや働きがいを重視する。新しい層に対応した事業スタイルを考えないと生き残っていけない。会社の風土を変えていきたい」と話す。
同社では平成22年にビジョン、中期経営計画を初めて策定したが、「数字は入れたものの、根拠がなかった」。
今年度、より細かく落とし込みをした計画を新たに策定し、将来のさらなる成長に向けて準備を整えている。この記事へのコメント
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