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    運送業界で労組加入者が増加傾向、労働条件の悪化が要因か

    2008年6月3日

     
     
     

     労働組合の元委員長によると、昨年あたりから建設業界と運送業界で労働組合への加入者が増加傾向にあるという。背景には、燃料価格高騰などのコストアップによる企業収益圧迫に伴う、労働条件の悪化が大きく関係しているようだ。


     運送業界はここ数年、異常な燃料費の高騰が続いているが、運賃に転嫁できなければ、その分は管理費や人件費に食い込まざるを得ない。運転者の給料体系が燃料分の負担と連動するようなものであれば、実質的に手取りは下がってしまう。拘束時間が他産業より長い業界だけに、賃下げなどの労働条件悪化の矛先は労働組合加入に向けられる。
     最近は一人、二人と少人数で労働組合に加入していくケースが多く、トラックステーションやトラックターミナルでの休憩中に労働組合加入のチラシなどを目にするケースが多く、勧誘も活発化しているという。
     銀行の貸し渋りも起きており、給料の遅配や未払いという事態が増え、元委員長は「さらに労組結成の動きが出てくる可能性がある。労働問題を発端とする会社倒産も出てくる」と指摘。
     また、「とにかく従業員との対話、コミュニケーションが一番重要。きっちり問題を提起して、従業員と共に解決していく姿勢が大切で、一方通行ではダメ。社員を大事にしている会社は、従業員は賃下げに応じる。また、どこも『うちでは組合はできない』という安心感を持っているが、これからは経営側も危機感を持って勉強しなければならない」と提言する。

     
     
     
     
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