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    大手の事故対応に憤慨 一方的に「ウチは悪くない」

    2011年5月24日

     
     
     

    genba_0523.jpg 5月上旬、大阪府下の国道(信号のある交差点)で大手路線会社の4トントラックが自転車に乗った若い男性に衝突する事故が発生した。男性は横断歩道の青信号をよく確認しないまま発進し、トラックにはねられた。約8メートル飛ばされ、救急車で搬送されたものの大事には至らずに済んだ。後から男性の叔父にあたる運送会社社長が病院に駆けつけたところ、大手路線会社の担当者がいたが、担当者は開口一番、「うちは悪くない。100対ゼロの事故」と主張してきたといい、運送会社社長は誠意のない事故対応に怒りが収まらないという。



     運送会社社長によると、甥は横断歩道を横切る際、横の信号が青から赤に変わった時点で見切り発進し、国道を走行するトラックと衝突してしまった。甥は、「よく信号を確認していなかった」と認めている。また、大手運送会社側は「トラックの運転者は信号が青の時点で交差点に進入した」と主張しているという。

     運送会社社長が問題視しているのは、過失割合の件ではなく、事故時の対応。甥が運ばれた病院に社長が駆けつけたとき、大手路線会社の担当者が3人いたが、社長に会うやいなや、いきなり「こちらは信号が青で走っていたので、うちに過失はまったくない。100対ゼロの事故。治療代はお宅で払って下さい」などと一方的にまくしたててきたという。

     社長は「命は助かったが、トラックに当たってはねられたのは事実。どちらが悪い、という話の前にまず、『迷惑をかけた』からスタートするものではないのか。業界をリードする立場の大手の運送会社が、こんな事故対応では、一般社会からの業界のイメージが悪くなるわけだ」と不快感をあらわにする。

     社長が警察に確認したところ、運転者には人身事故扱いと安全運転義務違反で計8点の違反点数が科せられるようで、「運送会社側に過失がまったくないことはありえない」と言われたという。

     大手運送会社の支店に今回の事故についてコメントを求めたが、担当者は「うちは青信号で走っており、相手側も目撃者も信号無視を認めている。止まることはできない状況。うちの自賠責保険の被害者請求もお勧めしている」と事務的な発言に終始していた。

     かつて路線会社の事故係を担当していたという大阪のある運送会社社長は「路線会社は車両台数が多く、自動車保険に入らず、自社でプールしたお金で事故処理をする『自家保険』で対応しているところが多い。つまり保険金の支払い額は会社の収支に直結し、支店の営業成績にはねかえる。そのため示談交渉を有利に進め、損害金を少なくするためにも一発、『かまし』を入れ、非があったとしても『悪くない』と主張するケースは十分ありうる」と内情を説明する。(大塚 仁)

     
     
     
     
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