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    運行管理者不在の運送会社 「認定」で資格取得を

    2012年1月16日

     
     
     

    truck_0116.jpg 運行管理者が不在の状態になっている運送会社が散見される。経営者に話を聞いてみると「何回か(従業員が)チャレンジしたが試験に受からなかった」ということで、前任者が退職して以降は違法状態のままやってきたと明かす。他業種に勤務する有資格者の名義を借りるケースや、「保有するトラックは5台で、運管者は女房」という零細事業者のなかには、離婚によって資格者が不在となってしまう例も見られる。運管者資格には「試験」と「認定」という二通りの取得方法があるが、前出の社長らは意外にも後者について知らなかった。行政処分が厳しくなるなかで、万一の場合を想定しながらリスク要素を少しでも減らす努力が求められる。



     試験以外の取得方法について話すと「そういえば、そんなルールを耳にした気もする」との反応が多かったが、資格者が突然会社を退職したり、増車などの都合によって「即戦力を求める」という突発的要素が中心になる従来の流れが、「次回の試験日まで時間がある」「他所から引っ張れる人材が見当たらない」ことを理由に不適正な状態を慢性化させてきた。また、時間をかけて「人材を育てる」というムードが希薄だったことが、「認定による取得も可能」という既定のルールを忘れさせる一因となっていることは否めない。

     運管者の資格取得には、年に2回実施される試験に合格するか、もしくは国交省令で定められた「一定の実務経験などを有する者」という認定による方法があるのは周知の通り。ここでいう一定の実務経験とは、具体的にはナスバ(自動車事故対策機構)が行っている3日間の基礎講習に加え、4回の一般講習を受けること。

     延べ5回以上の運管者講習を受けることが必要になるが、それぞれの受講実績は年間に1回しかカウントされない形。実務経験による資格取得の前提として国交省は「5年以上の実務経験を有していること」という要件を示しており、計5回の講習を受講すれば、おのずと経験期間は5年になる計算だ。

     ただ、注意が必要なのは運管者の「補助者」が設けられた平成19年4月以降の扱い。経験年数としてカウントされる「実務」に就くには補助者にならなくてはならず、その立場になるには3日間の基礎講習を受けるのが決まり。要は、計5回の講習を受ければいいといっても、まずは基礎講習を受け、それを終えた時点から計算して丸5年間というのが認定による資格取得の条件になる。

     運管者の選任に関する違反では「選任者の不足」が初回で20日車、「選任なし」は同40日車となっており、酒気帯びや過労、無免許・無資格運転などの悪質違反がともなう場合はそれぞれ60日車、120日車に跳ね上がる。また、「選任(解任)の未届け」も10日車(悪質違反は30日車)、「虚偽の届け出」は40日車(同120日車)と高リスクだ。

     コンプライアンスの徹底が叫ばれるなか、あらためて日常業務で見落としがちな部分のチェックが不可欠。それと同時に、生え抜きの管理者が育つ事業環境を整備することも業界にとって最重要のテーマといえる。(長尾和仁)

     
     
     
     
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