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新トラック運送経営のヒント(3)ドライバーの健康管理を
2012年1月20日
10月に、貸切バスのドライバーが運転中に意識を失うことによる事故が2件発生しました。そのうちの1件は、カーブを曲がる間際でドライバーが意識を失い、対向車線のガードレールを突き破って5?下の崖に転落する、という事故でした。
ドライバーは死亡し、乗っていた小学生ら39人が重軽傷を負ったという内容です。原因は事故直前にドライバーが「くも膜下出血」を発症したことです。国土交通省の特別監査がバス会社に入りましたが、事故の直接原因であるドライバーの健康状態の把握をしていたかどうかは必ずチェックされます。具体的には健康診断の受診の有無です。さらに、深夜・早朝労働の場合には6か月に1回の受診の有無もチェックされます。
ここまでが運送会社の健康管理の最低ラインの取り組みです。本来ならば健康診断で異常があった場合、再検査を要請する必要があります。そして適切な措置をします。例えば、高血圧の場合には点呼時に薬の服用の有無や、血圧計で血圧をチェックなどの措置です。
一方で日常的な健康管理としては、点呼時に疾病などの状況や医薬品の服用状況などのチェックと指導です。健康診断で異常がなくても、風邪薬や頭痛薬を服用したことなどを点呼時に報告させることを徹底する必要があります。異常が認められた場合、乗務させない勇気を持つことが大切です。
健康管理の重要性を教育していくことは、優先順位の高い安全管理の取り組みの一つです。
健康診断をドライバーの50%以上が未受診で、さらに健康診断を受けていないドライバーが健康起因による重大事故を起こした場合どうなるか? 大雑把に検証しますと、健康診断把握違反50%以上で車両停止60日。疾病で安全な運転ができないおそれがあるドライバーを乗務させたことで車両停止240日。行政処分基準で一番重い車両停止日数以外は2分の1になる基準があるので、60日車は30日車になると仮定すると、合計270日の車両停止処分になります。違反点数は合計27点。1回の行政処分で27点以上になると、原則「3日の営業停止処分」となります。
ドライバーの健康管理=運送会社の健康管理です。ドライバーの健康管理を通して自社の経営状態が健康かどうかをぜひチェックしてみましょう。 -
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