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新トラック運送経営のヒント(6)点呼違反による行政処分
2012年2月10日
中部運輸局の、トラック運送会社に対する重点監査月間の結果が発表されました。9月に同局管内の52社に抜き打ち監査が実施され、36社に違反が発覚したようです。違反率は約70%弱といったところで、違反内容は、やはり「点呼」と「労働時間」に関するものが多いです。
労働時間については前回の連載でお話ししましたので、今回は「点呼」についてです。点呼は原則、対面点呼ですが、ここでよくある社長さんの愚痴は、「深夜・早朝の点呼なんてできない。点呼のために人を雇っていたら経営が成り立たない」。多くの中小運送会社の社長さんの本音です。私も中小・零細企業の経営者の端くれですので、痛いほど社長さんの気持ちがわかります。しかし、です。ここで重要なのが、同じ「点呼未実施」でも?違反の程度?です。大雑把ですが、仮に重大事故を起こし、「点呼違反」が発覚した場合の行政処分についてご説明します。
まず「点呼の未実施」についてです。一番ひどいケースが50%以上の未実施で、かつ運行管理者本人の点呼が全体の3分の1未満のケースです。この場合、重大事故を起こすと「車両停止90日」の処分となります。
それだけではありません。「点呼の記録違反」というのがあります。点呼の未実施が50%以上の場合、当然、「点呼の記録」もできません。ですので「点呼記録なし率50%以上」になる可能性があります。この場合、「車両停止60日」の行政処分となります。
まだあります。「点呼記録の保存違反」です。点呼記録なし率50%以上の場合、当然、「点呼記録の保存」もできませんので「点呼記録保存なし率50%以上」になる可能性があります。この場合、「車両停止60日」の行政処分で、合計210日間の車両停止処分となります。
ただし、車両停止は一番重い日数以外は原則2分の1にする、という規定があります。結果として「点呼違反」だけで、90日+(60日÷2)+(60日÷2)=150日の車両停止になる可能性があります。点呼違反は「未実施」→「記録なし」→「保存なし」と違反が連鎖します。おのずと行政処分が重くなりますので、軽く考えていると痛い目に遭います。点呼は100%実施が大原則です。
ただ、現実問題としてそれが難しい時に、まず、どの時間帯を押さえれば点呼実施率を向上させることができるのか。改善ポイントはココにあります。
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