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相次ぐコンテナ横転事故 「法案の一刻も早い成立を」
2012年4月5日
2月23日に大阪市住之江区の国際フェリーターミナル内で、船から陸揚げされた海上コンテナのマーシャリングをしていた海コントレーラが、旋回を行うために右にハンドルを操作したところ、突然、20トン積み荷コンテナが傾いて運転席を押し潰し、ドライバーが死亡した。現場検証によると、コンテナの中身はコイルで木枠の一部を歯止めされているだけで、コンテナ内でコイルがずり落ちた形になっていた。この事故でドライバーを亡くした大阪府堺市の運送会社社長は、「これでは横転事故につながって当たり前」と、コンテナを取り扱う港運業者に怒りをあらわにしている。
その矢先、3月19日にATC(大阪市住之江区)近くの交差点で、海コントレーラの横転事故が再び発生した。幸い一般車両や歩行者への巻き添えもなく、ドライバーもケガを負う程度だった。この事故に対し、前述の社長は「今回は公道で、一般人を巻き添えにしかねない恐ろしい事故。幸いトレーラの横転だけで済んだが、もし、一般車両や歩行者が巻き添えになっていたらと思うと本当に怖い。業界を挙げてコンテナ横転に対する事故防止対策を行うべきだ」と主張している。
この事故を目撃していたドライバーが所属する会社の社長は「ドライバーによると、コンテナの前方側が浮き上がり、そのまま横転したと話していた。荷物がコンテナ内で動いたと思われる。安い運賃による危険すぎる仕事であるため、当社でもあまりにも不安定なコンテナは、ターミナルを出ずに断るようにドライバーに教育している。しかし、長蛇の列の中、コンテナの積み込みを拒否できないと話している。ドライバーも仕事の効率から、多少の片荷でもそのまま運行しているケースも多いのでは」と話した。
1か月以内に相次いでコンテナが横転する事故が発生し、業界関係者からは「運賃が安く、コンテナの積み荷は不安定。割に合わない大変危険な輸送」と指摘する声も多い。国際コンテナ法案は閣議決定され、あとは成立を待つばかりであるが、一日も早い成立が待たれる。(佐藤弘行)
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