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    尿素水を水で薄める 経費削減の苦肉の策

    2012年4月13日

     
     
     

     軽油価格が高騰する中、経費削減に躍起になる事業者は少なくない。そんな中で排ガス低減装置に使う尿素水に水を混入し、薄めた状態でトラックを走らせる事業者が出てきている。経費削減の苦肉の策であるが、メーカーでは車両に異常をきたす恐れがあるとして、通常の尿素水の使用を呼びかけている。一方、運輸局では、「メーカーが設定した装置が正常に作動しているのなら、保安基準に違反するかは微妙なところ」としている。



     「水7に対して尿素3。辛うじてこれで走ることができる」と、水と尿素水の比率について話す運送会社。同社では先月から、尿素水に水を足してトラックを走行させ、経費を浮かしているという。「燃料価格が2月に5円、3月に10円上がって、とどめを刺された。軽油ディーラーの話では値上げは7、8月まで続くとのことだが、すでに限界を超えている」と、経費削減のために背に腹は代えられないと話す。

     平成17年10月からNOx・PM法新長期規制が始まり、これを達成するために開発されたのが尿素SCRシステムだ。窒素酸化物(NOx)を浄化する技術で、大型車から順次採用され、4トン車も出始めている。

     同システムに必要になるのが、不純物のない水に尿素を溶かした尿素水。排ガスに尿素水を吹き付けることでNOxを分解して無害化する。

     運送会社では、通常500リットルの燃料に対して6%(30リットル)の尿素水を入れている。同社は尿素水をガソリンスタンドで1リットルあたり105─120円で購入していたが、今年に入って大量買いに変更。スタンドよりも20円安く仕入れていたが、「1運行あたり5万円の燃料費が、尿素で3300円余計にかかっている。トラックディーラーが言うように燃費は全然伸びず、無駄な経費を省くしかない」と訴える。

     また、別の運送会社でも「30リットルの尿素水に30リットルの水を足しても問題ない」と話す。車両18台で長距離輸送をこなすが、「2年前の燃料代は1リットルあたり90円であったのが、今は20円以上も上がって、燃料費の支払いは月々220万円が300万円になった。燃料代、償却費の経費を払う中、毎日頑張って仕事をしている運転者の人件費は下げられないし…」と窮状を訴える。

     尿素水の代わりに水道水をそのまま入れ、信号待ちで車両が止まりレスキュー隊を呼んだ運送会社もあるが、何とか経費削減できないかと考える事業者は少なくないようだ。車両メーカーでは、「尿素水は希釈せず通常の使用方法をお願いしている。それ以外のものを使うとエンジンが始動しない可能性など、車両に異常をきたす恐れがある」と注意を呼びかけている。

     運輸局は今回の件について、「道路運送車両の保安基準には排ガス発散防止装置維持機能の定めがあり、維持されていないなら保安基準に適合しない可能性がある」と指摘。しかし、「水で薄めることが直ちに違反になるかは微妙なところ。メーカーが設定した排ガス装置が動いているから、水で薄めたからダメとは言いにくい。各メーカーとも異常が出た場合、コンピューターが判断し、エラーが出て走れない対策をとっている。また、使用する燃料の規格は保安基準で決められているが、尿素水の規格は今のところ保安基準にはない」と話す。(大塚 仁)

     
     
     
     
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