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Gマーク「メリット少ない」 最低限の品質といわれるが…
2012年4月26日
Gマークを目にする機会が増えてきている。取得事業所は「3月14日現在、1万7115事業所となり、全事業所の20.4%になる」(全ト協)ほどだが、取得事業者の中には「取得メリットが少ない」という声も聞こえる。今回は、Gマーク認証取得のメリットを調べた。
全ト協ではGマークのインセンティブとして、?違反点数は3年間で消去されるが、2年間違反点数の付与のない場合、違反点数を消去?対面点呼はテレビカメラなどで代用可能?定時運行する場合の他営業所での点呼、同一敷地内に所在するグループ企業間での点呼の承認?CNGトラックなどに対する補助について、最低台数要件が3台から1台に緩和?損害保険会社の一部企業では、独自の保険料割引を適用─を挙げる。保険料について、日本損害保険協会(東京都千代田区)に聞くと「協会では何も把握していない」という。大手損保会社に問い合わせると「ISO9000シリーズであれば、一部の賠償責任保険で最大30%の割引があるが、Gマーク認証ではない」と話す。
「具体的なメリットではなく、現在の運送事業者にとってGマークは最低限の品質。これを取得できないというのは問題」と話すのは、協会全体で認証取得への取り組みを強化している滋ト協の岡田博会長。「業界のレベルアップなくして地位向上はない。Gマーク認証は不可欠」とし、「現在の社会状況では、取得できない運送会社はつぶれる可能性がある。自社の防衛という意味でも取得してもらいたい」と指摘する。
また、「許可の二重行政になるのではないか。運送許可を与えた上で、Gマーク認証の取得を勧めるのは、いかがなものか。それなら運送許可の条件として、認証取得を入れるべき」という声に対して岡田会長は「全国でも温度差があり、まずはGマーク認証の法制化が必要。(国交省の認定というような)ハクをつけるべきではないか」と指摘する。営業面について「メリットが少ないというのはその通り。しかし、取得による事故激減などが大切。審査でD、Eランクで取得できないというのは問題」と話す。
国交省では今後のインセンティブの拡大について、「現時点では具体的に何かをするということはまったく決まっていない。しかし、要望があれば検討していくことはある」としている。(小西克弥)
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