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    成案へ予断許さぬ状況 国際コンテナ法案

    2012年4月27日

     
     
     

    truck_0430.jpg 「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」(国際コンテナ法案)は3月6日に閣議決定し、即日国会に提出されたが、1か月半経過した4月25日現在、いまだ付託する委員会も決まらず、審議されていない。法案は「閣法」(内閣提出による法案)のため、野党から趣旨説明要求が出ており、与野党が激しく対立する国会で、成案は予断を許さない状況にある。今年になって海コントレーラの横転事故が相次ぎ、トラック業界では一刻も早い法案成立を望んでいるが、再び「審議未了」で廃案の可能性も出てきた。



     国際コンテナ法案は3月6日付で閣法の衆議院議案として受理された。参議院では同日付で予備審査議案として受理。通常なら関係する委員会に付託され、委員会で提案理由を説明した後、質疑・採決を経て、本会議で採決・成案となる。

     同法案は国交省所管のため国交委員会に付託されるのが筋だが、いまだに付託されていない。法案に趣旨説明要求が付いているためで、まず衆議院の本会議で全員に理由を説明し、理解を得なければ関係委員会に付託できない仕組みのためで、消費税関連法案をはじめとする重要11法案さえ審議されていない状況から、日程的な面で後回しになっているという。

     国交省安全政策課では「国会に提出した後は政治家の先生の仕事で、こちらでどうこうはできない。早期の審議入りと成立を願うだけ」と強調する。

     スムーズに進展しないのは、法案が閣法ということも影響している。民主党として国会に提出はできたものの、これから野党を含めて民主党国対委が中心となり、党派・会派を説得しなくてはならないからだ。ある与党議員は「昨年成立した交付金法は『議員立法』によるもので、国会に提出した時点でほぼ成案の見込みは立っていたが、今回は厳しい」と話す。

     国交、防衛両大臣の問責決議問題などから、自民党が「重要法案審議は連休明けから」と主張するなど国会審議が滞る中、予断を許さない状況になってきた。

     国際コンテナ法案について、経団連は今も「絶対反対」の立場を変えておらず、港湾関係でも強力な団体が反対を国に伝えている。それらの声を重視する国会議員は与野党ともに多い。

     このため東ト協(大?一夫会長)では、閣議決定後の3月19日には民主党東京都総支部連合会の加藤公一会長宛に法案の「早期成立に向けた要望書」を提出。その後、各地のト協が同様の要望を行っている。ある自民党議員は「交付金法案では自治体による交付を『義務化』するよう主張したが、最終的にトラック業界全体のためと考え、民主党案の『努力義務』を呑んだ。今度はそうはいかない」と強調する。

     法案は一昨年、閣議決定後、通常国会に提出されたが審議未了で廃案となった。今国会は6月21日に閉会となる。多くのトラック事業者は「同じことが繰り返されないことを願う」と国会を注視している。(土居忠幸)

     
     
     
     
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