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    苦悩するディーラーの営業マン 名義変更求める運送会社

    2012年6月26日

     
     
     

    truck3_0625.jpg トラックの販売にとどまらず、各種補助金の申請手続きなど、顧客である運送会社の手足となって働くディーラーの営業マンは少なくない。畑違いの任務や、ときには法的に「?」という難しい注文が舞い込むこともあるという。超過労働と未払いの問題をはじめとして近年、労務対策に頭を痛めるトラック事業者が増えているが、そうした状況で営業マンが顧客から受けたのは「修理費のカタとしてトラックの名義をディーラーに移してもらえないか」という相談だった。



     かつては割賦購入やリース(終了後に買い取り)の場合、実際には支払いが終了していても、車両の名義はそのままというケースが珍しくなかったという。しかし、「税金の問題や、仮に先方(運送会社)が事故を起こして対応しなかった場合、こちらに話が回ってくる恐れもあり、いまは支払いが終了した時点で名義を変更するのが当然の手続きになっている」と営業マン。

     ただ、別のディーラー幹部は「新車を購入するために、支払いの終わった何台かの所有権を移転させられたというトラック事業者の話は聞く」と話す。修理代の支払いがたまっている場合も同様に、「トラックを担保に取るという例がないわけではない」というが、現在ではレアケースであるようだ。

     いずれにしても前出の例は、トラック事業者の立場からすれば「望んでいない名義変更」となるが、営業マンらから話を聞くなかで最近、運送会社のほうから「名義変更を求める」という逆転現象が起きているという。当の運送会社の社長から直接、話を聞くことができた。

     「周辺の運送会社で労働組合が結成されたのがきっかけで、あちこちから情報を集めた結果、そんな方法もあるのかと知った」(社長)というのは、リース代などが残っているトラックや極端に古いものを除き、「修理代のカタ」としてディーラーに所有権を移すという行為。もちろん、実際に修理代がたまっているわけではなく、「そういう名目にしないと不自然になる」と説明する。

     手の込んだ企みは「労組ができた場合に廃業するための備え」と社長。「実運送とは別の会社に所有権を持たせるという方法を取っている例も聞いたが、両社の関係を突っ込まれると微妙な気がする」と名義変更を選択したというが、現時点でディーラー側の了解を得ているわけではない様子。

     前出の営業マンらによれば「運送会社が倒産したというなら形だけの名義に意味はなく、債権を持たないディーラーが所有権を主張することなど不可能だろうが、廃業となるとどうなのか…。専門家に相談するような話でもないし、社長からは実際に先行している実例も聞いてしまっている。長年の取引先からの相談だけに頭が痛い」と本音もチラリ。互いに苦悩する日々が続いているようだ。(長尾和仁)

     
     
     
     
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