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配車、幹部も人材不足 意外とかかる経費に育たない人材
2012年7月4日
人手不足が深刻化している運送業界では、さまざまな対策をして対処しているものの、配車担当や幹部候補育成についてはいまだ厳しい状況にあるようだ。
大阪市のある運送会社では、幹部候補を人材派遣会社から紹介してもらうシステムを利用している。過去に3回、幹部候補を紹介されたものの、そのうち1人だけが幹部となった。確率としては通常の人材募集と比べて良いように見受けられるが、経営者の話では「給与の交渉後に育成していくが、この人材が育つのか育たないのか断定できる材料がない。経費が思いのほか必要で、企業に支払う紹介料が給与の半年分(約400万円程度)となることから、育たなければ大きな損害を被る。人材紹介はうまくいかないこともあり、リスクを考えると良いシステムとは言いにくい」としている。
また現在、ドライバーから幹部候補への人材育成を検討している大阪府和泉市の運送会社では、経験豊富で周囲からも信頼されているドライバーを事務所に入れたものの、ドライバー職が長かったためなのか時間にルーズだった。社長は、ドライバーの出勤時間より早く出社するよう命じたが守られなかった。その後は通常の出勤時間を命じたものの、それも守られずたった数か月でドライバーに戻したケースもある。
募集しても運送事業で働きたいという人が極端に少ないことから、ドライバーからの幹部候補の育成を試みたが、ドライバーのルーズさに今回は断念。幹部候補を確保することが出来ず、現在、同業他社や他産業に対して人材を募っている。
また、一部の運送会社では引き抜きも行われており、引き抜かれた運送会社では人材確保の苦労だけではなく、仕事の減少でも大きく悩まされるようだ。(佐藤弘行)
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