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新トラック運送経営のヒント(33)運転者に効果的な問いかけ
2012年8月31日
「外部研修やドラレコに無駄なお金を使うくらいなら、俺たちの給料を上げられるはずだ!」。このように思うドライバーが運送会社の中にいることがあります。心の中で不満に思っているだけなら問題ありませんが、たった1人のドライバーでも不満を口にするようになったら要注意です。まずは、仲のいい同僚ドライバーに、次に、そのドライバーに同調したドライバーが他の同僚ドライバーにと、どんどん会社に対する不満が増殖していきます。
「悪事千里を走る」。今回のケースは悪事ではないのですが、会社に対する不平・不満はすぐ広まります。こうなる前に、会社側としては早めに手を打つ必要があります。なぜ、外部研修やドラレコなどにお金を使わなければならないのかを、ドライバーの理解を得られるように説明する必要があります。ところが、意外にもこれらの必要性について、ドライバーに分かりやすく説明し、納得させることができる社長や管理者が少ないのです。管理者の中には「俺もそう思う。でも社長がやるって言うから仕方ないよ」と、不平・不満をいうドライバーに同調する者さえいます。
また、ドライバーの不平・不満に対し何も説得しようとしない管理者もいます。ドライバーに嫌われたくない思いが強い管理者によくあるパターンです。
安全対策に一切お金を使わず、ドライバーの給料に還元する運送会社。一見、ドライバー思いの優しい運送会社に映ります。しかし、重要な視点が欠けています。「事故を起こした時に、一番の被害に遭うのは誰なのか」という視点です。
言うまでもなく、一番の被害者は一般人です。被害者や遺族の方は、事故を起こした運送会社が、事故を起こす前からしっかりとした安全対策をしていたのかどうかを知りたがります。警察や国交省、労基署なども「安全対策」ができていたかどうかで、厳しい行政処分や刑罰を科すかどうかを判断します。
「俺は事故なんて絶対に起こさないから、安全教育なんて必要ない! と言い切れるか?」「あなたが被害者や遺族の立場なら、安全対策にお金をかけていない運送会社をどう思うか?」。社長や管理者は「適切な問いかけ」をドライバーに投げかけ、教育や指導をすることが重要です。「ドライバーに対してどんな問いかけが効果的かを、日常から問題意識を持って考え続けていること」。日常の問題意識の有無、これで勝負ありですね。
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