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新トラック運送経営のヒント(36)人材育成は「急がば回れ」
2012年9月21日
「勤務年数が長くなると配車マンの指示に従わないドライバーが増えて困っている」。前々回と前回の連載に引き続き、今回もこの問題についてお話しします。事故分析と同じく三つの切り口を活用します。一つ目は「ドライバーの問題点」、二つ目は「管理者の問題点」、三つ目は「会社(社長)の問題点」です。今回は三つ目の「会社(社長)の問題点」について考えてみたいと思います。
入社当初は真面目に働いていたが、勤務年数を重ねていくと配車マンの指示に従わなくなるドライバーが多い、ということでした。前回と前々回の連載では「歩合給の割合が高すぎること」「管理者の資質のない者を選任してしまうこと」「ドライバーを管理者に育成する仕組みがないこと」の問題点を取り上げてきました。今回は最後の「会社(社長)の問題点」です。ドライバーからの意見を?管理者に相談することなく?受け入れるという過ちをする社長さんがいます。一度だけならまだしも、これが数回続くと、「うちの管理者は社長にも信頼されていないようだ。社長から直接注意されるまで、管理者の指示なんかあまり気にしないでおこう」。全員とはいいませんが、一癖あるドライバーであれば、こう考えるでしょう。中小運送会社の場合、管理者に物足りなさを感じ、社長さんがつい前に出てしまうことがあります。しかし、それが度を超すと、いつまで経っても管理者が育たない、という由々しき事態になります。やはり管理者を育てるのに「社長の我慢」が必要です。
ただし注意点があります。「社長の我慢」だけでは管理者自身が自分の落ち度や足りない部分に気づくことができないことがあります。その辺りは社長さんがよく観察し、管理者に対して何が足りないのか、具体的にどのようにすればできるようになるのか。このチェックと指導を怠ってはいけません。管理者もドライバーと同様、じっくり時間をかけて育てていくしかないでしょう。社長から自分(管理者)のミスを許され、再びチャンスをもらえたこと。社長から自分が窮している時に適切なアドバイスをもらえたこと。そのことを忘れない管理者も中にはいます。そんな管理者が自社に愛着をもって仕事に励んでくれるとしたら、経営者冥利に尽きるのではないでしょうか。
社長が管理者を指導し、?管理者に?ドライバーを指導させる。人材育成は「急がば回れ」ですね。
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