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「長距離はダメ」 ドライバーの家族から依頼
2012年11月1日
運送業界は人手不足で深刻な状況にある。ドライバーになればお金が貯まるといわれるほど、ドライバー稼業は労働時間が長いが収入面で魅力的だったが、景気の低迷や規制緩和などの影響からドライバーは稼げなくなってきた。労働時間が長く稼げないということで、長距離運行など深夜労働での人手不足が深刻化している。
大阪府泉大津市に本社を構える運送会社では、地場輸送から中距離、長距離輸送を手がけており、経験や資格、勤続年数に応じてドライバーに適した運行をするようにしている。最近では、ドライバーの家族から「長距離輸送はさせてほしくない」といった要望が会社に寄せられているため、できる限り要望に従っているという。同社社長は「ベテランドライバーに長距離輸送、比較的独り者が多い若手ドライバーは収入が少ない地場輸送を行ってもらっていた。最近は、ベテランドライバーの中でも収入が減っても夜間運行がなく、毎日帰宅できる地場輸送を希望する人も多く、長距離輸送を行うドライバーが減少している」と話す。
同社では現在、荷主から自社車両での長距離輸送を希望されている場合は自社車両での運行を行っているが、希望がなければ傭車へのシフトも検討しており、時代とともに運行形態が変化していると感じている。
また、別の運送会社社長は「かつては長距離輸送や深夜配送は過酷であったため、運賃も高く毎月50万円以上の収入が得られた。しかし、最近では運賃も安い。こういった背景から長距離を避けて地場輸送を希望するドライバーや運送会社が増えてきたのかもしれない」と語っている。(佐藤弘行)
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