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若い人材育成に悩む 「甘やかし過ぎ」とベテラン不満顔
2012年11月9日
人材不足に加え、人材育成にも頭を悩ませている運送事業者は少なくない。これからの運送業界を担っていく若い人材を確保できても、仕事が長続きせず、「今までのやり方では人材が育たない」と話す事業者もいる。大阪府堺市に本社を構える事業者でも、20代半ばの若い人材育成に奮闘している。その人物は社長の親類ではあるものの、今まで運送事業に携わることはなかった。将来は同社の経営陣となるべき人材であるが、社長は「今の若い子に修行のような厳しい教え方をしても嫌がられ、思うように育たない。若いためか遊ぶことが中心で、周りの状況を見て自ら進んで仕事を行うこともなく、また、仕事を見て覚えるようなことも出来ない」と語る。
同社の教育担当者も「今の子に昔のやり方を強要しても続かない。一からこつこつと長い目で見守ることしか出来ない。時間をかけて、経営者がのんびりと見守るつもりの気持ちがないと、若い世代はなかなか続かないようだ」と話す。別の運送会社でも、若い人材を確保しても、「勤務時間が長い」「長距離運行は危険」などの理由で、本人だけでなく親族が退職を希望するケースもあるという。同社では適材適所での配置を心掛けているが、やはり重労働はベテランが受け持つこととなり、ベテランドライバーからは「経営陣は若い人材を甘やかし過ぎ」などの声が出ており、若い人材育成には本当に気を遣うと嘆いている。
同社社長は「当社の定着率は高い方だが、若い人材の両親や親族は、運送業を危険な仕事としてあまり好まない傾向にある。このため出来る限りの要望にはこたえているが、ベテランの立場も考慮しなければ不公平になるので難しいところ。若い人材の育成には苦労が絶えない」と語る。(佐藤弘行)
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