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難しい! 採用のタイミング
2012年12月25日
人材不足が叫ばれ、ドライバー雇用が難しくなっているトラック業界。求人にも反応が鈍く、面接していざ採用に踏み切っても、すぐに辞めてしまうといった声があちこちで聞かれる。いま、現場では何が起こっており、どういう状況にあるのか。
埼玉県の事業者は、年末の繁忙期に備えて求人広告を出した。いつもは反応が鈍いのだが、意に反して今回は6人の応募があった。応募者のうち、5人と面接をした。通常、複数名の面接をする場合、日程調整のため、すべての面接が終わった段階で採用者を決定して連絡することになる。同社も5人の面接が終わった後で採用者へ連絡する旨を伝えていた。実際に面接を終え、5人のうち2人から好感触を得られた。そこから1人を決定し、当初の予定通り採用の連絡をした。しかし、その応募者から、すでに他社に決まったという返事が返ってきた。同業他社へも応募しており、同社よりも先に入社を決めたという。2人目にも連絡を入れると、その応募者もすでに同業他社から内定を得ていた。しかし、採用を決めたと伝えると、同業他社を断って同社に入社するとして、無事、欲しい人材を確保できた。
同社社長は、「後で連絡するという悠長なことを言っていられない。気に入った人材がいれば、その場で採用を決断しなければならない。今回の採用を通じて、そのことを思い知った」と話してい
る。一方、千葉県の事業者も求人で数人の反応を得た。そのうち、3人の面接を終え、「いい人材を採用できそうだ」と、手応えを感じていた。採用者に決定の連絡をしたところ、すでに他社への入社が決まったと断られた。さらに2人目、3人目と連絡を入れたが、1人目と同じ返事が返ってきた。結局、今回の求人では1人も採用はできなかった。
同社社長も、「いい人材がいれば、その場で決めるべきだった」と振り返るが、「次の人材はもっといいかもしれないと考えると、なかなかその場で決断を下せない。応募者が採用を決めようとした1人だったらよかったのに」と、ほぞを噛んでいる。
今後も売り手市場が続くと予想されるだけに、事業者の人材確保の難しさ、そして競争の激しさが懸念される。(高田直樹)
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