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    Gマーク「アピール方法に問題」 荷主の視点から指摘

    2013年4月10日

     
     
     

    gmark_0408.jpg 北海道経済連合会は、道内の主要な大企業が加盟している荷主団体。事務所の入り口の一番目立つところにGマークのポスターが掲示されているが、地域政策グループ統括部長の亀森和博氏は、「トラック運送業界によるGマークの信頼性とアピール方法に問題がある」と、荷主の視点から指摘している。



     平成15年度からスタートしたGマーク。同年には経団連が「安全運送に関する荷主としての行動指針」を定め、運送業者の選定にあたってGマークを積極的に活用すると規定したものの、これがどこまで実効性を持つ指針となっているかは疑問符がつくところだ。

     亀森氏は「道経連では経団連のような指針は策定しておらず、今後もその予定はない。様々な業種がある中で、なぜトラック運送業界の特定の制度を会員に薦めるのかと問われた時に、現状では必要性も社会的要請もあるとは感じていない」と述べ、「実施しているのは、要請があった場合にト協からのポスターやパンフレットなどを掲示・配布することや、運輸局からの優良事業者の利用促進の文書を会員に流す程度」と説明する。

     トラック業界は長年、Gマークのアピールをしてきたが、「実感として、運送会社を選定するのにGマークを意識している会員は非常に少ない。会員同士の話し合いの中で、話題が出ることもない」とし、荷主向けの有効なアピール方法として、パンフレットに工夫が必要だと提案。「よく『取得率が毎年上がっている』『〜%の事業所、車両台数が取得している』といったグラフが載っているが、これは荷主にとっては全く関係のない情報で、それよりも取得と事故発生との相関関係を大きく表示すべき。荷主は事故で物流が滞るのが一番怖いことなので、取得は物流品質に直結するとアピールすべき。荷主に何を訴えるかを考えてもらいたい」と話す。

     国交省の資料によると、平成23年中の取得営業所の車両1万台あたりの事故発生件数は12.1件、死亡事故件数は1.7件となっており、未取得営業所の事故件数23・6件、死亡事故件数4.2件より大幅に少ない。

     同氏は「Gマークの信頼性」そのものにも疑問を投げかけている。「荷主から見ると、運送委託先のコンプライアンス対応は見えにくい。Gマークは一つのシグナルになりうるのかもしれないが、これが本当に有用なシグナルなのかは考えなければならない」と話す。

     さらに「トラック運送業界がGマークの信頼性やブランド力を高めることが先決」と強調。これは、現状では「取得している事業所だから安全性やコンプラ対応が優良だ」と必ずしも荷主側が受け取っていないことを示す発言でもある。

     トラック運送業界のコンプライアンス意識の低さについて「他の業界から見て『えっ』とするものがある」と話す同氏。例えば、道内の新規許可事業者が巡回指導を受けた際、「特定の運転者に対する特別な指導」を行っているのは3分の1しかおらず、新規許可事業者の約4割がD・E評価である現状を見て、「トラック運送業界は許可の要件さえ満たせば誰でも参入できる。コンプライアンスへの対応がダメな所は退出してもらいたいが、荷主側からは見えにくい」と指摘する。

     「運送事業者がGマークを維持していくインセンティブが小さいことに加え、荷主から、取得している所がどの程度安心で安全なのかがわかる仕組みがない。Gマークの中にもバラツキがある」ことが問題だとし、この解決策の一つとして、同氏は取得・維持している所を更に「ランク付け」してはどうかと提案。

     「例えば、ずっと維持しているコンプラ意識の高い事業所には『ゴールドGマーク』といった認定を与えれば、運送会社もそれを目指していこうと頑張るだろう。荷主側からも『ここは長年事故も起こさず、安心して任せられる』と分かりやすくなる」と話す。(玉島雅基)

     
     
     
     
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