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    高リスクの高速道路 ドライバーが見た事故直前の現場

    2013年4月11日

     
     
     

    sa_0408.jpg 「思わず『危ない!』と叫んでしまった」「少し違えば自分も(事故に)関係していたかもしれない」――。長野県宮田村の中央道・上り線で3月25日未明、トラブルで停止していたキャンピングカーに大型トラックが追突するなど計3台が関係する事故が発生。亡くなったキャンピングカーの夫婦も運送関係者ということで業界にさらなる衝撃を与えているが、事故発生から半日ほどが経過した同日午後、兵庫県内の運送会社に勤める4?ドライバーから本紙記者に一報が入った。事故が起こる少し前に現場を通過したドライバーが見た光景は、近年の高速走行の怖さをあらためて痛感させられる内容だった。



     近年、高速道路の本線上に停止した車両や、修理で車外へ出たドライバーらが巻き込まれる死亡事故が急増している。中央道の事故は、車両整備の問題も含めて事故の原因解明には、まだ時間が必要と見られるが、本紙では4トン車のドライバーが見て・感じた「現場の状況」から、リスクが高まる高速道路事情を考察したい。

     関西から埼玉県狭山市へ向けてトラックを走らせていた兵庫のドライバーから一報が入ったのは、同25日の午後で、「追突した大型トラックを追い抜いた記憶があり、自分が事故に巻き込まれていた可能性もあった」と興奮ぎみに話した。その後、追い越し車線を走っていたドライバーの目に飛び込んできたのは1本のタイヤだったという。

     「タイヤは走行車線の中間付近に転がっていて、避けようと左へハンドルを切ったが、その先には路肩から本線にはみ出すように斜めに停車したキャンピングカーがあった。思わず『危ない!』と叫んで、慌ててハンドルを右に切った」という。このときは「バーストしたタイヤかと思った」というが、しばらくしてドライバーは、落下物の正体がホイルごと脱落したタイヤだったのではないかと感じたらしい。

     タイヤが脱落状態だったことは捜査当局の調査でも判明しているが、ドライバーによれば「現場の先にある高速バスの停留スペースに1台のトラックが止まっており、フロントバンパーの辺りをのぞき込むようにチェックする人影があった」と当時の様子を説明。ホイル付きのタイヤにぶつかり、車体がへこんでいないかチェックしていたのではないかと推測したのだ。高速道路を頻繁に使うという同ドライバーだが、「当日は日曜日の深夜。週末の高速道路は最近、とにかく怖くて仕方ない」と打ち明ける。

     事故から2日たった同27日の午前、ドライバーが所属する兵庫の運送会社に長野県警から連絡が入った。事故前後に現場周辺を通過した車両から情報を得るためだが、ドライバーは「見たままの内容を話した」という。ただ、事故現場の手前には駒ヶ岳SAがあり、「SAで休憩する車両も多く、対象車両を広げながら情報を集めている状況」(長野県警高速隊=同29日現在)としている。

     同隊によれば「以前と比べて高速道路を走行するうえのリスクは確実に増えている。トラブルによる停止車両や逆走車、さらに人間。また、信州方面ではこれからの季節に動物が本線上に出没するケースも増える。集中力を維持するための休憩や、ハイビームの適切な活用も再確認してもらいたい」と注意を呼び掛けている。(長尾和仁)

     
     
     
     
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