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    駐車違反わずか3分で取り締まり 警察「見張り付ければいい」

    2013年5月23日

     
     
     

    ihan_0520.jpg 現在、都内の駐車規制緩和区間は43か所。年々少しずつ数を増やしているものの、依然として集配中に取り締まられるケースが後を断たない。事業者も派遣社員に車の見張りを頼むなど自助努力を行っているが、負担が増えるばかりで根本的解決には至っていない。東ト協も事態を重く受け止めており、今年1月に警視庁、2月には東京都に対して要望書を提出した。駐車違反の取り締まり強化について、ハード面が整わないままに厳しくなっているとの批判は根強い。



     精密機械をメーンに運ぶ東京都世田谷区の運送会社は、ドライバーが受付と駐車可能な場所を確認しに行った、わずか3分の間に駐車取り締まりに遭った。場所は「人通りや車の往来も少ない」という休日の品川区天王洲地区。倉庫が立ち並び、一般人もほとんど立ち入らないような地域で道幅も狭い。

     すぐに警察署に抗議に行った。ドライバーが納品先の建物の前に停めていたことに対し「駐車禁止の標識がありますよね」と突っぱねられた。

     精密機械の搬入では建物のセキュリティが厳しいため、同社では運搬と養生を行う計3人が同時に作業を行っている。そのため、どうしても車が空になってしまう。「確かに標識はあった。しかし事情を理解してほしいと訴えたが、全く相手にされなかった」と話す。さらに「取り締まられないように、見張りを1人付ければいい」とも言われた。

     取り締まりを受けたトラックの前後にはタクシーが停まっていた。同じく?迷惑駐車?として扱われてもよい状況で、なぜタクシーは取り締まられなかったのか。聞けば「人が乗っているので取り締まりの対象にはならない」という。

     東ト協では、駐車監視員活動のガイドラインに、集荷・配達中のトラックへの配慮を促す文言を加えるよう警察に訴え続けている。また、駐車料金や2人乗りできる運賃がもらえない状況であることも説明しているが、明確な改善策は示されていない。何より警察の見解が、あくまで渋滞緩和を第一目的としており、それ以外のことを認めるという意識は薄いようだ。

     駐車規制緩和区間を拡大するにも、運送業者が協議の場を作り、地域住民の理解を得なければ警察は動かない。駐車場も、交通に支障をきたさないとわかって、やっと設置に動きだすため、時間がかかる。「需要に見合った駐車スペースが確保できないのに、違反取り締まりを行うのは理不尽。しかし、自分たちだけでは解決できない問題。相手が動くまで声を挙げ続けるしかない」と東ト協の井出廣久常務は話す。

     9日、東京商工会議所が都に対し「中小企業に関する重点要望」を提出。その中で、輸送用車両が駐車可能なスペースの増設と、放置車両と確認要件の緩和など駐車監視員ガイドラインの見直しが盛り込まれた。

     「東商が東ト協と同じスタンスで都に要請したことは大変に大きい。業界のエゴではなく、全業界から見た問題として取り上げてもらえる」と期待感を示した。東ト協の会員で東商の委員が議会で声を上げたことも今回の実現につながった。今後は交通安全協会役員の東ト協会員も同様に、会議の中で働きかけてもらえるよう協力を要請する方針。業界の枠を超え、様々な人に問題意識を持ってもらえるような活動に取り組み、政治家にも是正の働きかけを継続していくという。(半田桃子)

     
     
     
     
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