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    ドレージ事業者自治体施策に危機感 「内航船舶の活用」などに転換

    2013年6月6日

     
     
     

    kon_0603.jpg コンテナの陸上輸送(ドレージ)距離を短縮させる自治体の施策が5月下旬、相次いで発表された。いずれも荷主や貨物取扱業者に金銭的、時間的メリットを強調することでドレージからの転換を図ろうとするものだ。一方、ドレージを担う運送事業者らは、数年前から散発的に出される転換施策に危機感を募らせる。



     兵庫県は5月20日、県西部の姫路港から神戸・大阪の両港(阪神港)にまで輸送するコンテナを内航船舶に切り替えた際、1TEUあたり2000円を補助する施策を発表。県港湾課によると同様の施策は2011年度から始まっており、今年で3回目。11年度に86TEUしかなかった利用実績も、昨年度は1446TEUにまで増加し、昨年度まで500万円までだった予算総枠を今年度は1000万円にまで拡大。担当者は、「適用期間を単年度でなく3年間に拡充するなど、施策は拡大方向」と話す。

     姫路港でのコンテナ取り扱いは09年現在で2万7000TEUにのぼったが、業界関係者によると港湾料金の高い神戸港を回避し、瀬戸内経由で外航ルートに回るコンテナも多かったという。10年8月、阪神港が国の「国際コンテナ戦略港湾」に選定され、自治体の施策も戦略港湾指向に徐々に移行し、同県の11年度からの施策もその一環だという。

     このため、姫路港から西へ向かっていた従来のコンテナを神戸、大阪港がある東へと向かわせることに合理性を持たせるために出されたのが「内航船舶の活用」だった。交通集中の激しい都市部へ新たな貨物を流入させる施策を自治体が後押ししていくために、「交通渋滞やゲート待ちにつながらない策を必要とした」(関係者)という。

     神戸市は県の施策発表の翌日の5月21日、集荷する側が荷主などに与えるインセンティブ策「神戸港陸上輸送距離短縮等貨物誘致事業」を発表。ドレージ業者からは、「環境対策が重要とはいえ、『陸上輸送距離の短縮』の文言は、走っていくらの我々にはショッキング」との声が聞かれる。

     神戸市の事業の特徴は、複数の国内荷主が一つのコンテナを使い回しする「コンテナラウンドユース」と呼ばれるものだ。輸入で内陸までドレージされた空コンテナを港に逐一返却することなく、別の荷主の輸出に用いてもらうための法整備が整い、近畿地方では滋賀県・野洲に昨秋から初めてデポが設けられている。神戸市はデポを使用した場合、1TEUにつき2000円を補助していく方針。

     デポを設置した大阪港埠頭会社によると、デポは昨秋には利用実績はなく、3月から稼働を始めている。3月のコンテナの出入りは8本、4月3本、5月は24日現在で9本と低調だが、埠頭会社は、「企業として独自にリスクを取っているもの」とし、今後の拡大も含めて自信をのぞかせる。

     こうしたデポや内航船舶の活用についてドレージ業者らは、「今はまだ目に見える危機ではない。しかし、コンテナゲート前の渋滞に、なんら新しい手も打たれないまま、こうした自治体の施策が続けば、国内輸送の選択肢がドレージ業界内だけの競争ではなくなる」として警戒の声が聞かれる。

     あるドレージ業者は、「滋賀県の荷主が舞鶴経由の外航船に逃げてから神戸港に戻ってこない。港湾料金などを触らないまま輸送手段だけをいじっても、国際競争力はつかない」と、自治体などの施策に警鐘を鳴らしている。(西口訓生)

     
     
     
     
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