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    自動車取得税廃止分の補填財源決まらず 負担増を懸念

    2013年7月19日

     
     
     

    soumu_0722.jpg 平成25年度税制改正大綱で自動車取得税と自動車重量税の見直しが明記された。いずれも低炭素化社会の実現、税のグリーン化を進めたいという国の思惑がある。省エネ型自動車を導入すれば減税措置を受けられるが、昨年10月施行の「地球温暖化対策のための税」は?CO2を排出した人が排出した分だけ?納める仕組みであるため、環境対応できない事業者にとっては、実質負担増になりかねない。あくまでも地方財政に配慮しながらの自動車取得税廃止であるため、穴をどう埋めるか、財源が見つからなければ制度自体立ち行かなくなる可能性もある。



     大綱では、自動車取得税は2段階で引き下げ、消費税10%となる平成27年10月の段階で廃止するとされている。8%となる同26年4月1日の段階でエコカー減税の拡充などグリーン化を強化、10%の段階では地域の自主性、自立性を高めながら環境性能などに応じた課税を実施する。その際、安定的な財源を別途確保し、地方財政への影響をおよぼさないようにする。

     自動車取得税の撤廃で、「地方財政は2000億円のマイナスになる」(総務省自治税務局都道府県税課)という。しかし現状、補てんする財源は見つかっていない。自動車関係諸税の簡素化・軽減の一環として全ト協が訴えてきた、自動車取得税と自動車重量税の廃止が叶った形ではあるものの、これがそのまま、事業者の税負担の軽減につながるわけではない。国家予算を考えると、担当省庁から別の財源を用意しなければならない可能性が高いからだ。「エコカー減税など、環境に配慮した車両に対する減税措置をすでに行っており、さらなる減税は今のところ考えていない。燃料高騰に関しても、ほかの業界も同じように大変」(同)と話す。

     自動車重量税について、25年度は3860億円計上されている。エコカー減税制度の基本構造を恒久化し、消費税8%となる平成26年4月の段階では燃費性能に応じて軽減措置を取る。今後、グリーン化機能の維持、強化および安定的な財源を確保するために、環境性能に応じた課税が検討されている。

     また、車両重量により課税され、道路の損壊などに密接に関わることから、道路の維持管理、更新などのための財源として位置付け、自動車ユーザーに還元されるものであることが明確になるよう見直される。今後、道路の維持管理、防災・減災に多額の財源が必要となる中で、原因者負担、受益者負担としての性格を明らかにする意図がある。

     環境省では、昨年10月から「地球温暖化対策のための税」を施行。低炭素化社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入や省エネ対策など地球温暖化対策を強化するもので、環境負荷に応じて、広く薄く公平に負担を求める制度。具体的にはすべての化石燃料の利用に対し、それぞれの税負担がCO2排出量1?当たり289円になるよう、キロリットルまたはトン当たりの税率を設定。石油石炭税に上乗せする形で課税される。急激な負担増を避けるため、税率は3年半かけて3段階に分けて引き上げられる。

     自動車取得税廃止分の補てん財源が決まっていない現状に、事業者らは、仮に自動車取得税が廃止され、エコカー減税を受けられたとしても、こうした温暖化税などの負担増は避けて通れない。状況次第では増税になる可能性も否定できず、財源確保が決まるまで予断を許さない状況が続きそうだ。

     
     
     
     
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