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    トラック業界 曖昧な給与形態 事業者、ドライバー双方の悩み

    2013年7月29日

     
     
     

    truck4_0722.jpg 業界を問わず、中小・零細企業では従業員の給料はドンブリ勘定が少なくない。トラック業界では、敢えて曖昧な部分を残した賃金体系にすることで、ドライバーの裁量を認められるといったメリットもある。事業者、ドライバー双方にとって良策と思われていた曖昧な給与形態だが、近年、これがトラブルの要因となっているという。



     さいたま労基署の担当官によると、ドライバーからの窓口および電話相談で最も多いのは「労働時間」に関するもので、日用品や食品輸送に従事しているドライバーからの相談だという。「このルートなら途中で1時間くらい休憩できるだろうと配車を組まれているが、そんな時間は取れたためしがない」「荷主のニーズを満たすため、休日もなく働いている」といった悩みを打ち明けるケースが多い。背景には、働いた時間が賃金に反映されていないことに対するドライバーの不満があるようで、「歩合制だが、算出法がわからず、いまいち納得できない」「入社時に大体30万円と約束してそのまま。残業代が含まれての給料なのか不明」といった声がある。

     「稼げる時代ではなくなって給料自体が目減りし、また、インターネットの普及で誰もが情報にアクセスしやすくなり、不満が出やすい時代になった」と労基署の担当官。「トラック業界は、とくに給与形態の制度整備が進んでいないという印象がある。ステータスを上げるためにもお金と時間の管理は必要」とし、「ドライバーとの関係も法的な労使関係であるという意識を持つことが求められる。相手を縛る代わりに自分も縛られる?契約?意識を持つことが大切なのではないか」と指摘する。

     一方、事業者側はどう捉えているのか。関東に拠点を置くA社社長は「時間が読める一部のルートは時間給だが他は固定給。道の混み具合によって時間の変動が大きいため、固定給にすることでドライバーの都合に合わせて休憩がとれやすくなる」と、あえてきっちりさせないことで、労使双方にメリットがあるという。また、B社社長は、「給与については社内規定とともに書面を提示し、合意の上で雇っている」という。飲酒運転などドライバーの問題行動があったことから社内規定を明示し、コンプライアンスを目的に書面を作成したが、「荷主次第で、コンプライアンスが守れるかどうかが決まってしまう」と嘆く。「労働時間が守れないから、賃金の計算もあいまいにせざるを得ない」と明かす。

     そんな中、「契約書に時間帯ごとの時給を明示し、1日の労働時間が8時間を超過した時点で残業代が時給に上乗せされる仕組み」という事業者も。強みは新聞を扱っているため、時間が決まっていることに加え、コンプライアンスに敏感な直荷主からの受注であることだ。

     賃金トラブルを未然に防ぐには、給与計算の透明化を図ればよいが、労働時間との兼ね合い、荷主との関係から困難とされるのが現実。「荷主が大企業の場合、元請けの運送事業者に対してもコンプライアンスの順守を求めるが、下請け、孫請けで受注するような場合は特に、労働時間を守ることは難しい」というのは、業界の常識になっているといえる。

     
     
     
     
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