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    オレオレ詐欺ならぬ「仕事クレクレ詐欺」 下請けの無責任化

    2013年8月21日

     
     
     

    truck2_0812.jpg 「仕事がないと泣きついてきた揚げ句、任せた仕事に穴をあけられ、荷主からの信用を失った」とこぼす埼玉県の事業者。コンプライアンスの徹底が求められている中で、本来、事業者の法令順守への取り組みは進んでおり、輸送品質も向上しているはずだが、現場では必ずしもそうではないようで、こういったトラブルが増えてきているとの声も多くある。「下請けの無責任化が進んでいる」と指摘する事業者は、「『オレオレ詐欺』ならぬ『(仕事を)クレクレ詐欺』だ」と嘆くが、無責任化の背景には、募集しても集まらないという深刻な人手不足が拍車をかけているようだ。



     大手元請け会社を荷主に、仕事を請け負っている同社には、同業他社からよく、「仕事を世話してほしい」との依頼が届く。「頼ってきてくれるのを無下に断れない」と話す社長は、できる限り仕事を紹介するようにしている。しかし、最近になって、仕事を任せた相手が途中で投げ出すケースが相次いでいるという。

     同社には、今年に入って荷主に無理を言って頼み、トラック6台分の仕事を任せた事業者がいる。信用できる知人の紹介だったので、同社長は荷主の担当者に、かなり無理強いをしていた。

     当初はまじめに仕事をこなしていたが、徐々に仕事に穴をあけるようになり、「半年で稼働しているのは3台になってしまった」という。残りの3台分は、ほかの事業者がこなしている。「荷主に合わす顔がない」と嘆く社長だが、紹介した事業者に悪びれた様子はほとんどない。「人の顔に泥を塗っておいて、できないとか、人がいないなどの言い訳を繰り返し、揚げ句の果てには運賃が安いと文句をいってくる。自分の仕事に責任も持たない」と同社長は憤る。

     同社ではトラブルを未然に防ぐため、仕事に対する十分な説明を行っている。その事業者にも当然、納得がいくよう説明をしていた。「仕事に責任を持てないなら仕事を請けるなと言いたいし、自分から頼んできたくせに、これでは仕事クレクレ詐欺ではないか」と不満は収まらない。

     一方、千葉県の事業者は最近、同業他社の仕事を断った。労働環境が厳しく、ドライバーが続かないからだ。仕事の厳しさは知っているが、いざ請け負ってみると、ドライバーが辞めてしまう。「辞めては採用し、また辞めるの繰り返しで、対応が難しくなった」という。「確かに途中で仕事を投げ出す形になり申し訳ないと思うが、このまま続けていれば、会社が立ちいかなくなる」と本音を漏らす。

     その上で、「人材が豊富ならば続けられるが、現状では難しい。無責任といわれても、ドライバーがいなければ無理。ドライバーが続けられるような仕事を用意しない荷主側にも問題があるのではないか」と指摘している。

     
     
     
     
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