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第149回:ビルの買い取りでひと苦労
2013年8月30日
今から数年前に、休眠会社となった会社があります。営業不振で赤字が続き、資金繰りが大変苦しかったという理由です。この会社は自社ビルを持っていました。
休眠会社となる際、社長は商売を廃業するつもりだったが、専務は「商売を続けたい」という気持ちがあるとのことでした。「それではやってみたらどうか」と社長は専務のやる気を認め、専務が商売をしている間は、このビルを無償で貸すという約束をしました。会社は社長のもので休眠会社となったが、専務は個人商店として各役所に届け出をして商売を始めました。専務が新社長となり、約3年が経過しました。元専務の新社長は一生懸命に働きましたが、売り上げは減少もなく、上昇することもありません。こんな状況ですが、新社長は「いつまでも無償で借りているわけにもいかない」と思い、このビルを買い取ることにしました。所有者の社長は申し出に合意し、あとは手続きをするだけなのですが、これが大変だったと言います。
まずは休眠会社になってから税務署に決算書を提出していないこと、そして会社法で、専務が会社と取引をするので、会社が作成する議事録という書類に取締役全員の個人の印鑑証明書が必要だったこと。おまけに、休眠会社の代表取締役が休眠となってから引っ越しているので、法務局に住所変更の届け出をしなければなりませんでした。
「個人では簡単に話が決まったのに、買い取って新しい権利書を作るのが、こんなにややこしいとは」と、社長は書類にほとほと苦労していました。
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