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    目に見えない物流業のサービス「知的財産は無縁か」

    2014年6月6日

     
     
     

    sagyo_0609.jpg 「コンサル機能も持つ物流会社に取って代わられた」と、運送サービスだけでなく、加工などの付加価値機能も兼ね備える物流会社までも価格競争に巻き込まれる事態が発生している。10年以上をかけて築き上げた加工のノウハウなども、そっくりそのまま荷主とともに新たな現場に採用される交代劇もあり、経済の流動性増大は留まるところがない。「営業上のノウハウまでを知的財産と呼ぶなら、目に見えない物流サービスにそれは無縁なのか」。社長の悔しさ払拭の手段としていま、法制度はどこまで追いついているのか。



     兵庫県阪神地域は大阪、神戸の大消費地のど真ん中に位置するため、消費財、とくに食品産業に関わる分野の輸送産業が盛んだ。この分野は今、元請け業者が入れ代わったり、物流会社が新たに入ったりといった「下克上」や営業合戦の主戦場ともなっている。

     輸入商社の荷主から、国内では珍しい生鮮食材の輸配送、そして仕分けやラベル貼りといった業務を任されていた物流事業者も、その一画にある。10年以上に渡る取引歴があり、その間、倉庫兼新社屋への移転などを含めて相当の投資もしてきた。

     社長は何より、「形のない財産を築き上げてきた」と自負する。食材を個包装するラッピング業務では、見栄えが良くなる袋詰めの方法、ラベルをどの位置に貼るとスーパーで手にした客の目を引くのか。また、このような手作業をいかに手早く行うか。発送現場では荷崩れや破損のない箱の積み方といった細部にまで気を配った。時には荷主の意向と食い違う提案もしてきたが、物流現場の改善、なにより売り上げに結びついているという既成事実を根拠に苦い提案も採用されてきた。

     しかし今春、コンサル機能を前面に出す営業で進出してきた大阪の物流会社に取って代わられた。「作業込みの物流費が抑えられる」と荷主経営陣から聞かされた。社長は、「数年前にこの荷主は売り上げがピークアウトしている。その経営陣が考えるのが目先の採算なのだろう」と話す。

     作業上で得たノウハウを、申し訳なさそうに聞きに来る荷主の現場担当者に「自分らで考えろ!」と一喝したこともあったが、契約関係を超えた関係をちらつかせる担当者に対し、「次の手」まで考慮せざるを得ない社長としては断ることもできない。社長は、「いっそのこと、裁判ですっきりとできれば」と、?営業上のノウハウ?という財産を保護する法制度を求めている。

     営業秘密の持ち出し禁止に関しては、「不正競争防止法」が民事上の差し止め請求のほか、一定の形式で営業秘密を持ち出した場合の刑事罰を規定している。ただ、これらの規定は既に持ち出された秘密を止めることのできる権利ではあるが、不承不承に自ら出すことを決定した秘密を保護する体裁にはなっていない。つまり、不正競争防止法は、知的財産の観点からは劣勢の立場の事業者を保護するものではない。

     知的財産権に関しては現在、政府が「知財立国」の掛け声の元に、全国各地に「知財総合支援窓口」を設けている。営業秘密に関する相談も窓口で受け付けているが、兵庫県の窓口「新産業創造研究機構」(神戸市中央区)は、「今まで不正競争防止に関する相談すらない」と現状を説明する。

     
     
     
     
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