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    脱税軽油を併用「わかってはいるが…」正規の高騰厳しく

    2014年7月30日

     
     
     

    truck3_0728.jpg 運賃が上昇せず、燃料価格だけが異常な高騰を続けていることに落胆している運送事業者。軽油価格が1?130円に達している中で、いまだに110円台の燃料が出回っており、その軽油が脱税軽油と理解しながらも正規の軽油と併用して購入する事業者もいるようだ。



     大阪府南部のある運送A社では、燃料として1か月に100?リッター使用している。ここ3か月で燃料価格は15円値上がりしたため、1か月で150万円の負担増に陥るなど、今までに経験のない燃料価格の上昇に苦労しているようだ。

     A社社長は「現在、燃料価格はリッター126円で3か月で15円値上がりし、現行の運賃では経営が成り立たない。そんな中、訪問販売・配達するパトロール給油による燃料を購入している。同パト給では、リッター116円で通常よりもリッター当たり約10円低額。当然、正規の軽油ではないことは理解している。販売元に成分を聞けば、『灯油が3割含まれている』との話。しかし、当社はあえてその部分には明確な確認を行わず、正規の軽油と交互に購入している。これだけ燃料価格が上昇していても、荷主企業の一部から運賃値下げを求められる事業者も多い。運送事業者は荷主に強く要望もできず、違法ではないかと思う一方で、生き残るために脱税軽油を利用することになっている」と話す。

     燃料販売を手掛けるB社は、「東北でも凍結防止のために軽油に灯油が交ぜられている。灯油は凍結防止の役割を果たすことから、軽油に3割ほど含まれているものの、トラックには影響がない状態。現在、関西でも灯油を含んだ軽油(クマリン抜きの灯油)が脱税軽油として出回っているようだ。事業者の中にも正規軽油が高騰していることから、少しでも安い脱税軽油の利用を求める事業者もいる。国の対策が早急に望まれるところだ」と語った。

     大阪府中心部の運送C社は、「正規軽油をメーカー4社から交代で購入しているが、価格が異常に高いことから現在、脱税軽油と思われる正規物より8円から10円リッター安い軽油の購入も考えている。現状の価格ではまともに事業ができない。生き残るためには脱税軽油でも利用しなくてはならない状態であることを国も理解してほしい」と切実に語る。

     上辺だけの景気対策で、運送事業は現在も思うような売り上げが伸びず、ただ人手不足にあえぎ、車両の取り合い合戦が繰り広げられている状態。人手不足は運送事業の賃金の低さにも影響があり、軽油価格の高騰などでドライバーへの賃金も上がるどころか、いまだに下がっている。最終的には、運送事業のドライバーがいなくなり、日本の経済にも今後、大きな影響をもたらすのではないだろうか。

     
     
     
     
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